天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

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月の満ち欠け

月の位相のこと。


2022年の元日から大晦日までの「月の満ち欠け」の様子を1時間間隔で再現した約5分間の動画。月までの距離(中央の横線)の単位は地球の直径(28と32はそれぞれ約356,400 kmと406,700 km に相当する)。左下が、秤動によって地球から見えている月の面が周期的に変わる様子。
Video credit: NASA’s Goddard Space Flight Center
Data visualization by Ernie Wright (USRA)
Producer & Editor - David Ladd (AIMM)
Music provided by Universal Production Music: “Build the Future”- Alexander Hitchens
NASAの元サイト https://svs.gsfc.nasa.gov/4955

https://www.youtube.com/embed/c4Xky6tlFyY

周波数コムを参照。

周波数コムを参照。

日本の物理学者(1926-2020)。1955年ロチェスター大学PhD。1962年東京大学助教授。1967年東京大学理学博士。1970年同教授。1974年に高エネルギー物理学実験施設を設立。陽子崩壊の検出を目指して1983年に岐阜県神岡鉱山にニュートリノ観測施設カミオカンデを完成した。1987年に超新星1987Aからのニュートリノを検出。1996年スーパーカミオカンデ完成。2002年にはニュートリノ天文学創設の貢献により、レイモンド・デイヴィスと共にノーベル物理学賞を受賞した。他に朝日賞、日本学士院賞、フンボルト賞、ベンジャミン・フランクリン・メダル、文化勲章、勲一等旭日大綬章などを受賞。

追悼記事:東京大学大学院理学研究科
https://www.phys.s.u-tokyo.ac.jp/info/25794/

日本の天文学者(1928-2018)。1952年に東京大学東京天文台助手に着任。1958年東京大学理学博士。同年から1963年までスミソニアン天体物理観測所・ハーバード大学天文台客員研究員として滞米。帰国後東京天文台助教授、教授を経て。1981年より東京大学東京天文台長。1988年には東京天文台を改組発足した国立天文台の初代台長を1994年までつとめた。1983年からは日本天文学会理事長、1988年〜1991年には日本人として初めて国際天文学連合(IAU)の会長を務めた。専門は天体力学。人工衛星の軌道計算に必要な地球の重力ポテンシャル場を球面調和関数展開で求め、地球形状に西洋梨型の変形成分があることなどを明らかにした。米国が人工衛星を上げた時代に軌道計算の第一人者として米国に招聘された。小惑星の軌道の研究論文として発表された軌道変化を表す式は、21世紀に入り太陽系外惑星研究で脚光を浴び、近年その論文が「古在機構」として多数引用されている。国立天文台長として日本が外国に設置する初めての研究施設となったすばる望遠鏡計画を推進し、またレーザー干渉計重力波検出実験TAMA300を推進して、日本の重力波検出グループに貢献した。
1963年朝日賞、1979年日本学士院賞・恩賜賞、1980年日本学士院会員、1990年米天文学会ブラウアー賞、2002年勲二等瑞宝章、2009年文化功労者。
追悼記事:天文月報2018年7月号
https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/2018_111_07/111-7_482.pdf#page=14
アメリカ物理学協会(American Institute of Physics: AIP)のオーラルヒストリーに納められているインタビュー記事(英語)
https://www.aip.org/history-programs/niels-bohr-library/oral-histories/24816

セルビア人で土木工学者から地球物理学者に転身したミランコビッチ(Milutin Milanković)が1910年代から40年代はじめにかけて提唱した、地球気候の長期的な変化が天文学的な要因によるとする仮説。ミランコビッチは、地球の公転軌道の離心率の周期的変化(約10万年周期)、自転軸の傾きの周期変化(約4万年周期)、及び自転軸の歳差運動(約2.6万年周期)の三つの要素の影響が合わさって、地球の高緯度帯に入射する日射量が変動し、地球の氷河期が始まったり終わったりするきっかけとなると考えた。彼は実際には、北半球の北緯65度の夏の日射量を1年かけて手計算で導き出した。
この仮説はミランコビッチが亡くなる1958年までに日の目を見ることはなかったが、直近の氷河期における気候の記録を広範に調査するCLIMAP(Climate: Long range Investigation, Mapping, and Prediction)プロジェクトの古海洋データを解析したアメリカのヘイズ(James D. Hays)、インブリー(Imbrie, J.)、シャクルトン(Shackleton, N. J.)が1976年にサイエンス誌に発表した論文で根拠となる証拠を発見し、その基本的考え方が広く受け入れられた。
過去100万年間の気候では、「氷期-間氷期」の約10万年周期の変動が卓越しているが、ヘイズ達の解析では約2万年と4万年周期の変動がもっとも顕著で、10万年周期は最も弱かった。これは「10万年問題」と言われている。この問題は現在でも完全に解明されているわけではないが、ミランコビッチサイクルに起因する日射量の変化が一種のペースメーカーとなって、大気(特にCO2濃度変化)-氷床-地殻・マントルからなる複雑な気候システムに作用し、非線形な相互作用が生じてそれが10万年周期を生み出していると考えられている。

日本の天文学者(1922-1985)。日本における電波天文学研究のパイオニアの一人で、マイクロ波帯での太陽電波研究の世界的権威と評された。愛知県豊川市にあった名古屋大学空電研究所で多素子電波干渉計を世界に先駆けて開発し、高い角度分解能による太陽面構造の研究の基礎を築いた。1976年東京大学東京天文台に転任後は、野辺山宇宙電波観測所の初代所長として、45m電波望遠鏡とミリ波干渉計よりなる大型宇宙電波望遠鏡の建設を指揮した。
神奈川県藤沢市生まれ。1944年東京帝国大学第一工学部電気工学科を卒業、同大学院特別研究生を経て、1949年名古屋大学助教授に就任、1958年同大教授に昇任、東京大学に転任するまでの26年余にわたり空電研究所において電波天文学に関する研究教育活動に専念するとともに、5年間は空電研究所長として研究所の運営と発展に努めた。空電研究所着任直後から、日本で初めてマイクロ波太陽電波の研究に着手し、世界最先端の太陽電波観測所を築き上げ、「世界のTOYOKAWA」としての名声を獲得することになった。
太陽電波は第二次世界大戦中の1942年に発見され、戦後各国がその観測・研究を競う研究分野となった。空電研究所着任後間もない1951年には、日本で初めてのパラボラ型電波望遠鏡(波長8 cm、口径2.5 m)を建設し、本格的な太陽電波観測をスタートさせた。その後観測波長を拡張し、1957年の国際地球観測年以来、マイクロ波4波長帯での高精度な連続観測を継続し、その質の高いデータは世界の太陽物理学および太陽地球間物理学の研究に多用され、その発展に大きく寄与した。波長8 cmと波長3 cmの多素子干渉計群の観測から、高エネルギー陽子を放出する大きな太陽フレアの発生を予測することができることを発見し、国際同時観測期間の設定や、気球観測の成功率向上に多大な貢献をした。さらには、2次元化された多素子電波干渉計(電波ヘリオグラフ)を使って太陽面の2次元電波画像の撮像に成功し、コロナホールの観測的研究などで数々の業績を残した。
国内・国際学会はもとより、日本学術会議や各種審議会の委員および様々な国際学術団体で重要な役職を務めるなど、日本国内のみならず国際的な学術の分野で精力的な活動を行った。東京大学定年後は、1982年に東洋大学教授(工学部電気工学科)に就任し、構内に設置した口径4mのパラボラアンテナを用いて指導学生とともに鏡面測定法の研究を進め、学校行政、研究教育に尽力した。

 

「天文月報」 追悼記事
https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1986/pdf/19860303.pdf
https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1986/pdf/19860305.pdf

陽子や原子核をPeV(=1015 eV ~ 10-4 J = 10 3 ergを超えるエネルギーまで加速する天体。粒子加速器となっている天体の呼称として、「PeV」と、サイクロトロンなど加速器の名称の接尾辞に用いられている「-tron」からつくられた造語である。

宇宙線のエネルギースペクトルは、エネルギー E とともにべき乗則( E、α=2~3 )に従って急速に減少するが、およそ 3 PeV あたり(このエネルギーは宇宙線スペクトルの「ひざ (ニー、knee)」と呼ばれている)でべき指数 α が変化する(さらに急速に減少する)(宇宙線の項の図参照)。これは天の川銀河の磁場では宇宙線を銀河に閉じ込めておくことが難しくなり、漏れ出していくこと、および銀河宇宙線の主な起源とされる超新星残骸などにおける加速限界のあらわれである、と解釈されているが、少なくとも、このエネルギーまで粒子を加速する天体が銀河系内に存在することを示唆している。また、高エネルギーニュートリノGZKカットオフまで伸びる宇宙線の観測から、銀河系外にもぺバトロンは存在していると考えられている。しかし、まだ具体的な天体としては、ペバトロンの候補がチベットASγ実験LHAASO実験でいくつか報告されている段階にある。

重力の及ぶ空間の各点で指定される重力を表す物理量のこと。重力場があることでその点での重力が定まる。
一般に「場」とは、空間あるいは時空の各点で値が指定される物理量のことを言う。その物理量が値だけで指定される場合にはスカラー場、大きさと方向を持つベクトルで指定される場合にはベクトル場、それらの一般化であるテンソルで指定される場合にはテンソル場という。例えば、ニュートン重力の重力場は重力ポテンシャルというスカラー場で表すことができる。
ニュートン重力(万有引力(重力)の法則)においては、重力は質点間に働く力と説明されていたが、今では、各質点が時空の各点にベクトル場、またはそのポテンシャルであるスカラー場(重力ポテンシャル)を作り、その場(重力場)が他の質点に作用して重力を及ぼす、と理解されている。この解釈により、離れた場所における重力も重力場との近接作用と見なすことができる。アインシュタインの重力理論である一般相対性理論では、場の働きがより本質的になり、重力場はクリストッフェル記号、またはメトリックテンソルによって表される(測地線参照)。メトリックテンソルは、ニュートン重力における重力ポテンシャルに対応するが、10個の成分を持ち、曲がった時空の中の距離を与えることで、4次元的に曲がった時空の幾何学を記述する。また、クリストッフェル記号がゼロになる座標系(局所慣性系)は常に存在するので、真の重力場はそれを微分したリーマンテンソルによって特徴づけられる。これは重力が潮汐力であることによる。

京都大学が、名古屋大学、国立天文台、ナノオプトニクス研究所と協力し、京都大学岡山天文台として、旧国立天文台岡山天体物理観測所に隣接する敷地に建設した口径3.8 mの光学赤外線望遠鏡。名前は全国の一般応募の中から選ばれた。平安時代の陰陽師安倍晴明が設置場所近くの阿部山で天文観測を行ったとされること、および主たる科学目標の一つである太陽系外惑星探査が地球外生命の発見の手がかりになるのを期していることに由来する。主鏡は国内初の分割鏡であり、国内の望遠鏡としては最大口径である。2019年2月の初観測以来、リスクシェアモードで国内共同利用を行っている。
せいめい望遠鏡は、多数の新しい技術を開発したユニークな望遠鏡である。主鏡を構成する18枚のセグメント鏡は大きさ約1 mである。Keck 望遠鏡など多くのセグメント鏡に採用されている6角形とは異なり扇形にすることで、鏡の形状を2種類に減らす工夫が施された。主鏡の口径比をF/1.3と明るくすることにより鏡筒を短くし、セグメント鏡の厚みも約60 mmと薄くして軽量化した。経緯台方式ではあるが、センターセクションで主鏡セルを支えるのではなく、主鏡セルの下側にトラス構造を組み、それを2本のアークレールで支え、全体を方位テーブルの上に置く構造となっている。このようなさまざまな軽量化技術により、1.4トンの光学系を含む支持構造は8トンで、可動部分全体の重量は18トンに抑えられた(ちなみに口径が2.2倍のすばる望遠鏡の可動部分の重量は555トンである)。
せいめい望遠鏡は2021年初現在、「光子バケツ」としての性能しか発揮できていないが、主鏡面全体からの反射光の位相合わせを実現して、口径を活かした高解像度観測の実現に向けた努力がなされている。主な研究目標として以下のものが掲げられている。
ガンマ線バースト重力波源など高エネルギー爆発現象
太陽と似た星のスーパーフレアのメカニズム
・ドップラー法による太陽系外惑星の探査と極限補償光学による直接撮像
銀河と星惑星系の形成
京都大学岡山天文台
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/general/facilities/okayama/
京都大学3.8 m望遠鏡
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/psmt/

フリードマン(Aleksandr Aleksandrovich Friedmann;1888-1925)はロシアの数学者。ルメートルと独立に膨張宇宙論の数学的展開に寄与した。
音楽家の家に生まれ、1910年、サンクトペテルブルク大学卒業し、成層圏で温度が逆転する現象を理論的に追究した。気象や流体の研究を経て、1922年、一般相対性理論に基づく宇宙論の研究を行ない、一様で等方的な時空間の構造や世界時の概念などを提案した。これを基礎にアインシュタイン方程式から宇宙が膨張したり収縮したりする解を発見、いわゆるフリードマン宇宙を導いた。これにより、スライファーの見出した銀河の赤方偏移が説明されるなど、現代的宇宙論の基礎を与えた。
1925年、クリミアでの休暇中に感染したと思われる腸チフスのため、37歳で没した。

 

参考:https://www.physicsoftheuniverse.com/scientists_friedmann.html

マックス・ウォルフ(ヴォルフ)(Maximilian Franz Joseph Cornelius Wolf;1863-1932)はドイツの天文学者。1888年にハイデルベルグ大学で博士号を取り、1896年からハイデルベルク大学教授。写真観測による初めての小惑星発見者であり、その写真術を駆使して二百個以上の小惑星を発見した。1910年のハレー彗星の回帰を最初に観測し、太陽系近傍の恒星ウォルフ359を発見するなど、恒星、星雲の研究にも活躍した。1900年にイエナのカールツァイス社と共同でブリンクコンパレータを開発している。広視野天体カメラによる星野撮影にスターカウント法を導入して暗黒星雲を研究し(バーナードとは独立に初めて暗黒星雲の存在を正しく理解した)、北アメリカ星雲をはじめて写真撮影してその形から命名している。また、渦状星雲のスペクトルは恒星に似ていて、散光星雲と異なることを最初に示した天文学者の一人でもある。ミュンヘンのドイツ博物館建設のアドバイザー(1911年からは理事会メンバー)を務めながら、近代プラネタリウムのアイデアをドイツ博物館館長のオスカー・フォン・ミラーと協議した。しかし、第一次世界大戦によって中断を余儀なくされ、1923年にカール・ツァイス社のバウファルスフェルトの設計によるに第1号機が作られた。1930年ドイツ天文協会会長となり、ブルースメダル受賞。1932年10月ハイデルベルクにて没、69歳。

 

参考:https://phys-astro.sonoma.edu/node/1422

ルドルフ・ウォルフ(Johann Rudolf Wolf;1816-1893)はスイスの数学者、天文学者。エンケ、ディリクレ、ガウスらに学び、1844年ベルン大学の数学教授、1847年にはベルン天文台の所長、1855年にチューリッヒ大学、チューリッヒ工科大学の天文学の教授となり、1864年チューリッヒ天文台を創設した。素数、幾何学、確率、統計などの研究を行ない、シュワーベ(H. Schwabe)の発見した太陽黒点活動の11年周期を確認、太陽黒点活動は地磁気変動と同期していることにも気づいた。1849年、現在「ウォルフ数」といわれている黒点計数法を考案した。1280年から1340年の間の黒点活動の低下期間は、彼の功績を讃えウォルフ極小期と名付けられている。

キーナン(Philip Childs Keenan;1908-2000)は恒星スペクトルの二次元分類MK法で知られるアメリカの天文学者。1943年、モルガン(W.W. Morgan)やケルマン(E. Kellman)と一緒に『An Atlas of Stellar Spectra with an Outline of Spectral Classification』(通称MKKアトラス)を出版し、ここで恒星の温度系列に対応するO、B、A、F、G、K、Mというスペクトル分類に加えて、光度を表わすⅠa、Ⅰb、Ⅱ、……などの光度階級を導入し、温度と光度で分類する現在の二次元分類法(MK分類)を確立した。このMK分類は、1973年にモルガンとキーナンによってさらに改訂されている。

二人の共同研究では、キーナンは太陽よりも温度の低い星を、モルガンは温度の高い星を研究の対象としていた。キーナンは、最初のアリゾナ大学学部生の時の論文発表(1929年)から70年後の1999年に最後の論文を発表しており、非常に息の長い研究者であった。

 

参考 https://astro.uchicago.edu/alumni/philip-c-keenan-1932.php

スキアパレリ(スキャパレリ)(Giovanni Virginio Schiaparelli;1835- 1910)は望遠鏡による観測で火星面地図を作ったイタリアの天文学者。彼の作成した火星面地図には、海、大陸、それに「canali(カナリ)」(イタリア語では、自然に作られた溝、畑のすき跡などを意味する)が記録されていた。カナリが運河を意味する「canals(カナル)」と英語に誤訳されて、その後の宇宙人ロマンが流行するもとになった。
イタリアのトリノ大学で土木工学と天文学を学び、1854年卒業、政府から派遣されてベルリン大学(ドイツ)、プルコボ天文台(ロシア)で天文学の研究を行なった。1860年にイタリアに戻り、1862~1900年までミラノ・ブレラ天文台の台長を務めた。1861年には小惑星ヘスペリア(69 Hesperia)を発見しているが、1864年にペルセウス座流星群とスイフト・タットル彗星(109P/Swift-Tuttle)の軌道が一致するとして、その関連性を発表した。この研究は世界的な評価を受けて、パリ科学アカデミーから賞を受けている。1877年から屈折望遠鏡による系統的な惑星表面の観測を始め、火星面の詳細な模様を示す火星図を作成した。水星の自転の研究もあり、その公転周期が自転周期と一致するという彼の見解は、近年の惑星探査機による観測結果(公転周期は自転周期の1.5倍)がもたらされるまで長い間信じられてきた。晩年には天文学史に興味を移し、バビロニア、ユダヤ、ギリシャなどの古代天文学の研究でも大きな成果を残した。

 

エイベル(George Ogden Abell;1927-1983)は主に銀河群、銀河団の研究をしたアメリカの天文学者。ロサンゼルスのグリフィス天文台のツアーガイドとして天文学のキャリアをスタートさせた後、ウィルソン山およびパロマー天文台やマックス・プランク研究所などに所属、1958年、銀河団の「エイベルカタログ」を発表。2712個の銀河団をリストにし、宇宙の大規模構造の研究に大きな影響を与えた。銀河団の視線速度の解析から、銀河団にも見えない質量、ミッシングマスが存在していることを見出したり、惑星状星雲についての研究をピーター・ゴールドライヒとともに発表、赤色巨星から進化するというアイデアを発展させた。

高校生を対象としたサマーサイエンスプログラムの教員を20年以上務めたり、超常現象の科学的調査のための委員会(CSICOP[サイコップ])を共同で設立するなど、科学教育の普及にも尽力した。小惑星3449番には彼の名がついている。

 

参考 http://todayinastronomy.blogspot.com/2009/03/march-1-george-ogden-abell.html

コンパクト天体を参照。

白色矮星中性子星ブラックホールの総称。コンパクト星、高密度星、あるいは高密度天体とも呼ぶ。通常、恒星の進化の最終段階で誕生する。通常の恒星に比べて質量あたりのサイズが小さいため強力な重力場を伴う。単体では半永久的に存続すると考えられている。自分自身の中にはエネルギー源を持たないが、(ブラックホール以外は)冷えていく間は輝く。また、連星系をなすなど周囲の物質と相互作用がある場合には、強い重力場や磁場などに起因する高エネルギー現象を引き起こし、明るく輝いてさまざまな波長の電磁波重力波で観測される(マルチメッセンジャー天文学を参照)。
銀河など星とは異なる種類の天体でも、頭に「コンパクト」をつけて呼ぶ天体(コンパクト楕円銀河など)があるが、通常はこれらはコンパクト天体には含めない。

既知の特定の天体に望遠鏡を向けて行う観測。サーベイ観測を参照。

ダイナマイトの発明者として知られるスウェーデンの発明家・企業家アルフレッド・ノーベル(Alfred Bernhard Nobel)の遺言に従って、彼の遺産に基づいて創設された世界的な賞。1901年から始まり、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和および経済学(1968年創設)の分野で顕著な功績を残した人物に贈られる。
本項では、過去の物理学賞のうち天文・宇宙に関わりの深いものについて、受賞者と受賞タイトルおよび、本辞典の中の関連深い主な項目を列挙する(日本人受賞は全て含む)。天文・宇宙に関わりの深い分野での受賞頻度は近年増加している。
【2021年】
・真鍋淑郎(Syukuro Manabe)(アメリカ、日本)
・クラウス・ハッセルマン(Klaus Hasselmann)(ドイツ)
「地球の気候の物理的モデリング、気候変動の定量化、地球温暖化の確実な予測」
気候モデルIPCC地球温暖化温室効果ガス気候変動オゾン層
【2020年】
・ロジャー・ペンローズ(Roger Penrose)(イギリス)
「ブラックホールの形成が一般相対性理論の強力な裏付けであることの発見」
特異点定理ペンローズ時空図宇宙検閲官仮説
・ラインハルト・ゲンツェル(Reinhard Genzel)(ドイツ)
・アンドレア・ゲズ(Andrea M. Ghez)(アメリカ)
「我々の銀河系の中心にある超大質量コンパクト天体の発見」
ブラックホールいて座A*
【2019年】
・ジェームズ・ピーブルス(Jim Peebles)(アメリカ)
「物理宇宙論における理論的発見」
宇宙マイクロ波背景放射宇宙の晴れ上がり原始銀河宇宙の大規模構造ダークマター
・ミシェル・マイヨール(Michel Mayor)(スイス)
・ディディエ・ケロー(Didier Queloz)(スイス)
「太陽型恒星を周回する太陽系外惑星の発見」
太陽系外惑星ドップラー法ホットジュピター
【2017年】
・レイナー・ワイス(Rainer Weiss)(アメリカ)
・バリー・バリッシュ(Barry Barish)(アメリカ)
・キップ・ソーン(Kip Thorne)(アメリカ)
「LIGO検出器および重力波の観測への決定的な貢献」
重力波重力波検出器LIGO
【2015年】
・梶田隆章(Takaaki Kajita)(日本)
・アーサー・B・マクドナルド(Arthur B. McDonald)(カナダ)
「素粒子「ニュートリノ」が質量を持つことを示すニュートリノ振動の発見」
ニュートリノニュートリノ振動素粒子スーパーカミオカンデ
【2013年】
・フランソワ・アングレール(Francois Englert)(ベルギー)
・ピーター・ヒッグス(Peter Higgs)(イギリス)
「欧州原子核研究機構 (CERN) によって存在が確認された素粒子(ヒッグス粒子)に基づく、質量の起源を説明するメカニズムの理論的発見」
ヒッグス粒子ヒッグス場素粒子真空の相転移自発的対称性の破れ電弱統一理論欧州原子核研究機構
【2011年】
・ソール・パールムッター(Saul Perlmutter)(アメリカ)
・ブライアン・P・シュミット(Brian Schmidt)(オーストラリア)
・アダム・リース(Adam Riess)(アメリカ)
「遠方の超新星の観測を通した宇宙の加速膨張の発見」
Ia型超新星光度曲線(超新星の)加速膨張ダークエネルギー宇宙定数ハッブル時間地平線(宇宙の)
【2009年】
・チャールズ・K・カオ(高錕)(Charles K. Kao)(イギリス、アメリカ、中華民国出身、1948年香港移住)
「光通信を目的としたファイバー内光伝達に関する画期的業績」
・ウィラード・ボイル(Willard Boyle)(アメリカ、カナダ)
・ジョージ・E・スミス(George E. Smith)(アメリカ)
「撮像半導体回路であるCCDセンサーの発明」
CCD多天体分光器赤方偏移サーベイ
【2008年】
・南部陽一郎(Yoichiro Nambu)(日本)
「素粒子物理学および原子核物理学における自発的対称性の破れの機構の発見」
自発的対称性の破れ真空の相転移ヒッグス場ヒッグス粒子
・小林誠(Makoto Kobayashi)(日本)
・益川敏英(Toshihide Maskawa)(日本)
「自然界においてクォークが少なくとも3世代以上存在することを予言する、対称性の破れの起源の発見」
素粒子CP対称性キャビボ-小林-益川理論反物質
【2006年】
・ジョン・C・マザー(John C. Mather)(アメリカ)
・ジョージ・スムート(George F. Smoot)(アメリカ)
「宇宙マイクロ波背景放射が黒体放射の形をとることおよびその非等方性の発見」
宇宙マイクロ波背景放射黒体放射宇宙の晴れ上がりCOBE衛星WMAP衛星プランク衛星
【2002年】
・レイモンド・デービス(Raymond Davis Jr.)(アメリカ)
・小柴昌俊(Masatoshi Koshiba)(日本)
「天体物理学への先駆的貢献、特に宇宙ニュートリノの検出」
ニュートリノ天文学太陽ニュートリノ問題SN1987Aカミオカンデスーパーカミオカンデ
・リカルド・ジャコーニ(Riccardo Giacconi)(アメリカ)
「宇宙X線源の発見を導いた天体物理学への先駆的貢献」
ジャッコーニX線天文学
【1993年】
・ラッセル・ハルス(Russell A. Hulse)(アメリカ)
・ジョゼフ・テイラー(Joseph Hooton Taylor, Jr.)(アメリカ)
「重力研究の新しい可能性を開いた新型連星パルサーの発見」
パルサー連星重力波二重パルサー連星
【1983年】
・スブラマニアン・チャンドラセカール(Subrahmanyan Chandrasekhar)(アメリカ、インド)
「星の構造および進化にとって重要な物理的過程に関する理論的研究」
チャンドラセカールチャンドラセカール限界質量恒星の進化白色矮星中性子星
・ウィリアム・ファウラー(William Alfred Fowler)(アメリカ)
「宇宙における化学元素の生成にとって重要な原子核反応に関する理論的および実験的研究」
ファウラージェフリー・バービッジマーガレット・バービッジ
【1978年】
・アーノ・ペンジアス(Arno Allan Penzias)(アメリカ)
・ロバート・W・ウィルソン(Robert Woodrow Wilson)(アメリカ)
「宇宙マイクロ波背景放射の発見」
宇宙マイクロ波背景放射ビッグバンビッグバン宇宙論宇宙の晴れ上がり定常宇宙論
【1975年】
・オーゲ・ニールス・ボーア(Aage Niels Bohr)(デンマーク)
・ベン・ロイ・モッテルソン(Ben Roy Mottelson)(デンマーク、アメリカ)
・レオ・ジェームス・レインウォーター(Leo James Rainwater)(アメリカ)
「核子の集団運動と独立粒子運動との関係の発見、およびこの関係に基づく原子核構造に関する理論の開発」
量子力学ボーア半径ボーア磁子ボーア
【1974年】
・マーティン・ライル(Martin Ryle)(イギリス)
「電波天文学における先駆的研究(観測および発明、特に開口合成技術に関して)」
ライル開口合成電波干渉計
・アントニー・ヒューイッシュ(Antony Hewish)(イギリス)
「電波天文学における先駆的研究(パルサーの発見に果たした決定的な役割)」
パルサー
【1970年】
・ハンス・アルベーン(Hannes Olof Gosta Alfven)(スウェーデン)
「プラズマ物理学の様々な部分への有意義な応用を伴う、電磁流体力学における基礎的研究および発見」
アルベーンアルベーン波電磁流体波電磁流体力学イオンサイクロトロン波
【1967年】
・ハンス・ベーテ(Hans Albrecht Bethe)(アメリカ)
「原子核反応理論への貢献、特に星の内部におけるエネルギー生成に関する発見」
ベーテCNOサイクルppチェイン核融合熱核融合反応太陽
【1965年】
・朝永振一郎(Shin-ichiro Tomonaga)(日本)
・ジュリアン・シュウィンガー(Julian Schwinger)(アメリカ)
・リチャード・P・ファインマン(Richard P. Feynman)(アメリカ)
「量子電磁力学の分野における基礎研究と、素粒子物理学についての深い結論」
早川幸男
【1949年】
・湯川秀樹(Hideki Yuakawa)(日本)
「核力の理論的研究に基づく中間子の存在の予想」
パイオン素粒子強い力核力四つの力
【1933年】
・エルヴィン・シュレーディンガー(Erwin Schrodinger)(オーストリア)
・ポール・ディラック(Paul Adrien Maurice Dirac)(イギリス)
「原子論の新しく有効な形式の発見」
量子力学不確定性原理ディラック磁気単極子
【1921年】
・アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)(スイス)
「理論物理学に対する貢献、特に光電効果の法則の発見」
アインシュタイン一般相対性理論宇宙定数アインシュタイン方程式アインシュタインリングアインシュタイン係数アインシュタイン衛星
【1918年】
・マックス・プランク(Max Karl Ernst Ludwig Planck)(ドイツ帝国)
「エネルギー量子の発見による物理学の進展への貢献」
プランクの法則プランク関数プランク分布黒体放射プランク定数プランクスケールプランク衛星
【1911年】
・ウィルヘルム・ウィーン(Wilhelm Wien)(ドイツ帝国)
「熱放射を支配する法則に関する発見」
ウィーンの近似式ウィーンの変位則ウィーンスペクトル黒体放射
【1907年】
・アルバート・マイケルソン(Albert Abraham Michelson)(アメリカ)
「彼が考案した精密光学機器マイケルソン干渉計とそれによる分光学および計量学の研究」
マイケルソン干渉計マイケルソン-モーリーの実験
【1904年】
・レイリー卿(Lord Rayleigh; (John William Strutt)(イギリス)
「重要な気体の密度に関する研究、およびこの研究により成されたアルゴンの発見」
レイリー-ジーンズの近似式レイリー散乱レイリー-テーラー不安定レイリーの解像限界
【1902年】
・ヘンドリック・ローレンツ(Hendrik Antoon Lorentz)(オランダ)
・ピーター・ゼーマン(Pieter Zeeman)(オランダ)
「放射現象に対する磁性の影響の研究」
ゼーマン効果

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