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アインシュタインリング

 

よみ方

あいんしゅたいんりんぐ

英 語

Einstein ring

説 明

重力レンズによって作られる遠方天体のリング状の像。重力レンズを引き起こす天体(銀河クェーサー銀河団)と同じ視線上の真後ろに点光源がある場合に完全な円環の像ができる。この円環の半径がアインシュタイン半径である。銀河団による重力レンズ像では、完全な円環ではないが円弧状の銀河の像(アーク)が多数見られることがある。

2018年09月27日更新

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    * 重力レンズ効果の説明図。座標原点を中心とする球対称な質量分布を持つ銀河団がある場合を仮定している。左図は銀河団の背景にある丸い円盤形のの光源の天球上での本来の位置。右図はそれぞれの光源が実際に観測されたときの形状を示す。左図で中心にある光源は、右図で破線を含むリング(アインシュタインリング)となって観測される(破線は左図の中心点に対応する)。
    高田昌広「重力レンズ効果」、シリーズ現代の天文学第4巻、谷口・岡村・祖父江編『銀河I』第2版 8.5節 図8.8(日本評論社)
    ハッブル宇宙望遠鏡のAdvanced Camera for Surveys (ACS)による重力レンズ像。アインシュタインリングやそれに近いものがよく見える。
    ハッブル宇宙望遠鏡研究所(STScI)プレスリリース STScI-PRC05-32