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日本天文学会

高

よみ方

にほんてんもんがっかい

英 語

Astronomical Society of Japan

説 明

天文学の振興及び普及を目的とする公益社団法人で、100年を超える歴史を持つ学術団体である。2021年に「天文学のすすめ」を公開した。
日本天文学会は1908年(明治41年)1月19日に創立され、1935年(昭和10年)1月18日に「社団法人日本天文学会」としての設立を文部省から認可された。1897年(明治29年)制定の民法で定められていた公益法人制度の改革が2000年に始まり、2008年12月に公益法人制度改革関連3法案が施行され、それ以前から存在していた法人は施行日から5年以内に新制度下の法人に移行することが定められた。これを受けて、社団法人日本天文学会は新制度の下で公益認定を受け、2012年(平成24年)12月28日に内閣府に登記を行い、「公益社団法人日本天文学会」が発足した。2019年現在の会員数は約3,300名である。会員(正会員、準会員)には天文学の研究者のみでなくアマチュア天文家など愛好家も含まれる。
主な事業は、年に二回春と夏に行われる年会の開催、研究成果を世界に向けて発信する欧文研究報告 (Publications of the Astronomical Society of Japan: PASJ)の発行、および研究成果の解説、学会の活動報告、会員間の連絡などを行う会誌「天文月報」の発行である。このほかにも、各種表彰、若手のキャリア支援、男女共同参画の推進、天文教材開発など天文教育普及活動、インターネット天文学辞典(この辞典)の公開・改訂などの活動も行っている。
各種表彰には、研究業績の表彰に加えて、天体発見賞、天文功労賞、天文教育普及賞など研究者以外を対象としたものもある。2018年度からは、日本天文遺産の認定も行っている。
天文学の普及も目的の一つに掲げており、古くから教材などの開発も行っている。星座早見を編集し出版社を通じて販売しているほか、デジタル画像がまだほとんど利用できなかった1991年に、木曽観測所の天体写真をもとに天体カラー写真スライドセット「遙かなる宇宙へ」を頒布し、教育現場で広く使われた。2008年の創立100周年を記念して、全17巻の「シリーズ現代の天文学」と「日本の天文学の100年」を刊行した。記念切手も発行された。「シリーズ現代の天文学」17巻に基づいて編纂されたシリーズ別巻「天文学辞典」が、このインターネット版天文学辞典の母体である。
事務所は東京都三鷹市の国立天文台三鷹キャンパス内にある。
ホームページ:http://www.asj.or.jp/

2021年04月12日更新

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    * 日本天文学会ホームページに掲載されている「天文学のすすめ」
    https://www.asj.or.jp/jp/epo/ より入る
    欧文研究報告PASJと天文月報
    (クレジット:日本天文学会)

    1958(昭和33)年に大改訂が行われた日本天文学会の星座早見盤。これが現在のものの基礎となった。
    http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~kazu/hayami/hayami-i.html
    * 天体カラー写真スライドセット「遙かなる宇宙へ」
    撮影 岡村定矩
    * 1990年代から2002年までに日本天文学会教材委員会が関与した商品や頒布品
    出典:半田利弘「日本天文学会教材委員会と天文普及活動」
    「天文教育」2002年3月号より
    https://tenkyo.net/kaiho/pdf/2002_03/2002_03_4.pdf
    * 日本天文学会創立100周年記念出版事業による「シリーズ現代の天文学」(日本評論社) 撮影 岡村定矩
    * 日本天文学会創立100周年記念出版事業による「日本の天文学の百年」(恒星社厚生閣)と記念切手
    撮影 岡村定矩