素粒子
よみ方
そりゅうし
英 語
elementary particle
説 明
物質を構成したり相互作用を媒介したりする、これ以上細かく分けられない最小単位の粒子(ただし量子力学で記述され粒子と波動の二重性を持つ)。素粒子はスピン角運動量の性質によってフェルミ粒子とボース粒子に分けられる。
素粒子の標準模型は、物質を構成するスピン量子数 $s=1/2$ の12種類のフェルミ粒子、力を媒介する $s=1$ の4種のゲージ粒子、および $s=0$ のヒッグス粒子の計17種類の素粒子からなっている(図1)。物質を構成するフェルミ粒子は、アップ、ダウン、チャーム、ストレンジ、トップ、ボトムという6種類のクォークと、電子、ミューオン(ミュー粒子)、タウ(タウ粒子)とそれらに随伴する3世代のニュートリノを合わせた6種類のレプトンとの計12種である。力を媒介するゲージ粒子は、強い力を媒介するグルーオン、電磁気力を媒介する光子、弱い力を媒介する2個のウィークボソン(WボソンとZボソン)の4種である。ヒッグス粒子は自発的対称性の破れを起こし粒子に質量を与える。
標準模型に含まれるフェルミ粒子には粒子と反粒子の2種類がある。粒子と反粒子は理論的にはほぼ対等な存在であるが、我々の住む宇宙では粒子が反粒子に比べて圧倒的に多い。この非対称性はバリオン数生成問題と呼ばれ、未解決の問題である。
重力を媒介するゲージ粒子である重力子は未発見である。四つの力、物質波も参照。
2025年01月15日更新
この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。
受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。