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スーパーカミオカンデ

高

よみ方

すーぱーかみおかんで

英 語

Super-Kamiokande detector

説 明

カミオカンデの後継観測装置として、岐阜県神岡鉱山の地下に日本を中心とする国際協力で建設された巨大な水チェレンコフ検出器。天体ニュートリノの観測や陽子崩壊の観測を行うことを主な目的とし、1996年から観測を続けている。超純水5万トンを密封した直径39 m、高さ42 mの円筒形のタンクと、チェレンコフ光を観測する光センサーとしてタンクの壁に据え付けられた約1万1千本の光電子増倍管とその信号を扱う電子回路などから構成される。 2001年に光電子増倍管の約7割が破壊される事故が発生したが、翌年に部分復旧した。2006年に完全復旧して2022年時点で観測を継続している。大気ニュートリノの観測(1998)と、茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究所で人工的に発生させたニュートリノを観測するK2K実験(2004)により、ニュートリノ振動を観測し、ニュートリノに質量があることを確定した。2009年からさらに高精度のT2K実験を行っている。ニュートリノ振動の発見により、チームリーダーの梶田隆章東大教授が2015年にノーベル物理学賞を受賞した。
2021年から後継装置としてハイパーカミオカンデ(直径68 m、高さ71 m、水量26万トン)の建設が始まった。2027年の観測開始を予定している。
ニュートリノ天文学も参照。
ホームページ:http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/
ハイパーカミオカンデ:https://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/hk/about/outline/

2022年08月15日更新

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    関連画像

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    スーパーカミオカンデの内部
    http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/library/image.html
    スーパーカミオカンデの概念図
    http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/detector/introduction.html