天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

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蛍光

励起状態にある物質は、電磁波を放出して、やがて基底状態にもどる。このときに放射される電磁波を蛍光という。励起が終わると直ちに発光が終わるものを蛍光、しばらくの間発光が続くものを燐(リン)光と呼んで区別することもある。シンチレーション(2) も参照。

シンチレーション(2) を参照。

エルゴ領域を参照。

日本の天文学者(1855-1923)。門下生には平山信木村栄平山清次らがおり、初代東京天文台長(1888-1919)、初代日本天文学会長(1909-1919)を務め、近代日本天文学の基礎を固めた。1878年に東京大学理学部物理学科を卒業後、フランスに留学しパリ大学・パリ天文台で天文学や数学を学んだ。帰国後、1884年に東京大学理学部星学科の教授に就任した。これにより、日本における天文学教育はお雇い外国人教師から離れ、日本人によって行われることとなった。1897年に日本で初となる海外遠征でインドにおける日食観測を行ない、コロナの撮影に成功した。この時のメンバーは平山信、水原準三郎、木村栄であった。1908年には日本天文学会を創立し、初代会長に就任した。

事象の地平線のこと。

イベントホライズンテレスコープの略称。

多数のミリ波・サブミリ波望遠鏡による地球規模の超長基線電波干渉計(VLBI)を構成して、ブラックホールのごく近傍、事象の地平線(イベントホライズン)近くまでの画像を高い空間分解能で撮像し、ブラックホールの物理の解明を目指す国際研究プロジェクト。このプロジェクトに参加する望遠鏡による干渉計そのものを指すこともある。英語の頭文字を取ってEHTと略称されることがある。直訳すれば「事象の地平線望遠鏡」である。
ミリ波サブミリ波帯でのVLBIの実験的観測が始まったのは2000年代からで、3つの望遠鏡での観測が成功したのは2007年であった。その後、観測装置の改善や新たな望遠鏡を加えながら、2012年にブラックホールの事象の地平線近くまでの画像を得ることを目指してEHTの名称を掲げたプロジェクトが発足した。2019年現在、EHTコラボレーションは、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、北米、南米の 13 の研究機関とおよそ 200 名の研究者で構成されている。
EHTは2017年4月に、おとめ座銀河団(距離約6000万光年)にある巨大楕円銀河 M87の中心にある超大質量ブラックホールを波長1.3 mm(周波数230 GHz)の電波で観測した。その結果を解析したEHTグループは、2019年4月10日に空間分解能20マイクロ秒角(角度表示を参照)を達成した電波画像を公開した。空間分解能が20マイクロ秒角あれば月面に置いたゴルフボールが見える。この画像では、ブラックホール周辺(光子球領域)の高温のプラズマが明るいドーナツ状に見え、その中心が暗い穴として見えている。これはブラックホールシャドウ(ブラックホールの影)と呼ばれている。ブラックホールシャドウの視直径は事象の地平線までの距離(=シュバルツシルト半径)の5倍程度と考えられている。この結果から、M87のブラックホールのシュバルツシルト半径は約200億 km(太陽海王星のあいだの距離の4倍以上)、質量は太陽質量の65億倍と推定された。
このデータおよびその解析手法は広く世界に公開されているため、EHT以外の研究者が独立に再解析し、EHTが発表した結果についての検証を進めている。2022年6月には別のグループが別の手法で解析した結果、EHTグループの画像とは異なる特徴を持った画像が得られたという研究が報告された。その画像には、中心部分にある「コア構造」とそこから伸びている宇宙ジェットが見られる。M87のブラックホールに対しては、このEHTデータの再解析や手法の検討に加え、さまざまな装置での追観測が行われている(M87を参照)。
EHTグループは2017年に、M87に加えて天の川銀河銀河系)中心のブラックホールである「いて座A*(Sgr A*)」の観測も行っていたが、時間変動がある天体であったために複雑なデータ解析が必要で、その結果は2022年5月12日に公開された。
2017年のEHTの観測に参加した電波望遠鏡は、アタカマパスファインダー実験施設望遠鏡(APEX、チリ)、アルマ望遠鏡(ALMA、チリ)、ミリ波電波天文学研究所30m望遠鏡(IRAM、スペイン)、ジェイムズクラークマクスウェル望遠鏡(JCMT、米国ハワイ)、アルフォンソセラノ大型ミリ波望遠鏡(Alfonso Serrano、メキシコ)、サブミリ波干渉計(SMA、米国ハワイ)、サブミリ波望遠鏡(SMT、米国アリゾナ)、南極点望遠鏡(SPT、南極点)の8施設の望遠鏡である。SPTから北天にあるM87は観測できないが、データを較正するための参照天体の観測にSPTが参加した。各施設URLは以下に掲げられている。
2018年以降は、グリーンランド望遠鏡、NOEMA観測所(フランス)、アリゾナ大学キットピーク12 m望遠鏡がEHTの観測網に加わっている。
EHTホームぺージ: https://eventhorizontelescope.org/
M87中心のブラックホールの画像に関する国立天文台の発表
https://www.nao.ac.jp/news/science/2019/20190410-eht.html
https://www.nao.ac.jp/news/science/2022/20220630-m87.html
Sgr A*の画像に関する国立天文台の発表
https://www.nao.ac.jp/news/science/2022/20220512-eht.html
アタカマパスファインダー実験施設望遠鏡(APEX、チリ)
http://www.apex-telescope.org/
アルマ望遠鏡(ALMA、チリ)
https://alma-telescope.jp/ (日本語サイト)
http://www.almaobservatory.org/home/
https://www.almaobservatory.org/en/home/
ミリ波電波天文学研究所(IRAM、スペイン)
https://www.iram-institute.org/
ジェイムズクラークマクスウェル望遠鏡(JCMT、米国ハワイ)
https://www.eaobservatory.org/jcmt/
アルフォンソ・セラノ大型ミリ波望遠鏡(LMT、メキシコ)
http://www.lmtgtm.org/
サブミリ波干渉計(SMA、米国ハワイ)
https://www.cfa.harvard.edu/sma/
サブミリ波望遠鏡(SMT、米国アリゾナ)
http://aro.as.arizona.edu/
南極点望遠鏡(SPT、南極点)
https://pole.uchicago.edu/
グリーンランド望遠鏡
https://vlbi.asiaa.sinica.edu.tw/project.php
NOEMA観測所
https://iram-institute.org/observatories/noema/
https://iram-institute.org/about/
アリゾナ大学キットピーク12 m望遠鏡
https://aro.as.arizona.edu/


地球からM87中心のブラックホールまで仮想の旅をする動画

https://youtu.be/UWcKmjMcqdU


ブラックホールシャドウのメカニズム解説映像 / Photon paths around a black hole(Credit: Nicolle R. Fuller/NSF)

https://youtu.be/bLWmdjB28J8

中性子星と中性子星の連星系。英語ではdouble neutron star binaryという表現が用いられることもある。最初に発見された二重中性子星連星はPSR B1913+16である。アメリカのハルス(R.A. Hulse)とテイラー(J.H. Taylor)は、この連星のパルス周期の時間変化を精密に観測して軌道周期が短くなっていることを示した(1975年)。これは軌道角運動量が抜き取られることで説明できることがわかり、一般相対性理論が予言している重力波の存在を間接的に証明する材料となった。二人はこの研究により1993年のノーベル物理学賞を受賞した。2017年8月17日に観測された5例目の重力波(GW170817) は、二重中性子星連星の軌道収縮が進み、その最終段階で2つの中性子星が合体して発生したことが重力波の波形解析から確認された。二重パルサー連星も参照。

広くは、複数の波が重なり合って新しい波形ができる現象を指す。通常は可干渉性のある波の場合に用いる。同一光源からの光を異なる光路を経て重ねたときに、光の波としての性質から、その位相が一致(山と山が差なり合う)場合に強め合い、逆相(山と谷が重なり合う)場合に打ち消し合うため干渉縞が観測される。ホイヘンスの原理回折も参照。

冬の代表的な星座の一つ。明るい1等星のベテルギウスは半規則型の脈動変光星で、2019年秋より暗くなりはじめ2020年2月10日頃に約1.6等となり、この100年間では最も暗い状態の一つとなった。このため、冬の大三角が容易にそれと同定できない状態になったが、5月には減光前の明るさに戻った。
星座の一覧表と明るい恒星の表はこの辞典の「有用な諸データの表」にある。
https://astro-dic.jp/about/table/
星座の表
https://astro-dic.jp/constellations/
明るい恒星と近距離の恒星
https://astro-dic.jp/bright-stars-and-nearby-stars/

おおぐま座の腰から尻尾を形作る七つの星がつくる柄杓(ひしゃく)の形をしたパターン。春から夏の北天でよく目立つので広く親しまれている。この時期に北極星を探すよい目印となる。秋から冬にかけてはW型をしたカシオペヤ座が北極星を探す目印になる。
星座の一覧表と明るい星の一覧表はこの辞典の「有用な諸データの表」にある。
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星座の表
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明るい恒星と近距離の恒星
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天の北極(地球の自転軸を北極側に伸ばして天球と交わる点;赤道座標系参照)の近く(約0.75度離れた位置)に見える明るい星(こぐま座 α(アルファ) 星: 2等星)。日周運動でほとんど動かず、北の空の星は北極星の周りを東から西に回転しているように見える(周極星)。実際には北極星も日周運動で天の北極の周りに半径約0.75度の円を描いている。北極星を見つける方法として、北斗七星を用いるものとカシオペヤ座を用いるものが広く知られている。その方法と、関連する星のデータを図と表に示す。

天の北極は歳差のために、北黄極(黄道の北極; 黄道座標系参照)の周りを半径23.4度、周期約26000年で周回するので、現在(21世紀初頭)では天の北極の近くにこぐま座 α 星があるが、時とともに天の北極はこぐま座 α 星から離れて行き、約12000年後にはベガ(こと座 α 星: α Lyr)が天の北極に近くなる。またエジプトでピラミッドが作られた時代も天の北極はこぐま座 α 星からはだいぶずれていた。古代エジプトではピラミッドの一辺を真北に向けるために二つの星(北斗七星のミザールとこぐま座のコカブ)を利用したと推定されている。その方法では歳差の影響で測定した真北の方位が正しい真北からずれてゆく。そのずれが建設年代の異なるピラミッドの方位と一致していることが根拠となっている。

北極星は、セファイドの一つで、小さな振幅(0.1等未満)で、周期約4日の変光をしている。北極星を含む変光星の広汎な観測データはアメリカ変光星観測者協会のホームページから見ることができる。星の名前を入力すると観測データと共に光度曲線も見ることができる。
アメリカ変光星観測者協会(AAVSO)ホームページ: https://www.aavso.org/
Light Curve Generator 2 (LCG2): https://www.aavso.org/LCGv2/
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英文字のWの形に5個の星が並ぶ特徴的なパターンを示す星座。秋から冬の北天でよく目立つ。北極星を探す目印となる。

1925年(大正14年)の『理科年表』初版では「カシオペイア」とされていたが、昭和初期から「カシオペア」あるいは「カシオペヤ」との表記が出てきた。1952年(昭和27年)に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」と決めた際に、固有名詞はラテン語の発音に準拠するとして、Cassiopeiaの日本語名は「カシオペヤ」とされ、以後学術用語界ではこれが使われている。一般社会では現在は「カシオペア」のほうが多く用いられているようである。もともと外国語なので一方だけが正しいということはない。以上のように現在は便宜的に「カシオペヤ」と書くことに決まってはいるものの、このような表記は時代変化によって変わるものと考えた方が良いだろう。

シリウス(おおいぬ座α(アルファ)星: α CMa)、プロキオン(こいぬ座α 星: α CMi)、ベテルギウス(オリオン座α 星: α Ori)の三つの明るい星を結ぶ大きな三角形のことである。三角形の中を天の川が通っている。オリオン座とともに広く親しまれている星のパターンである。日本では冬の大半の期間によく見える(20時頃に南中するのは2月末)。冬の大三角形を形作る三つの星とオリオン座の主な星のデータを表に示す。夏の大三角も参照。
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星座の表
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明るい恒星と近距離の恒星
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デネブ(はくちょう座α(アルファ)星:α Cyg)、アルタイル(わし座α星: α Aql)、ベガ(こと座α星:α Lyr)の三つの明るい星を結ぶ細長い大きな三角形の星のパターンのこと。七夕伝説と結びついて広く親しまれている。ベガは「おりひめ(織姫)」、アルタイルは「ひこぼし(彦星)」であり、両者の間に天の川が通っている。日本では夏の間に最も見やすくなる(20時に南中するのは9月中旬)。夏の大三角形を作る三つの星のデータを表に示す。冬の大三角も参照。

星座の一覧表と明るい星の一覧表はこの辞典の「有用な諸データの表」にある。
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星座の表
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明るい恒星と近距離の恒星
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1. 時間と空間(時空)及びそこに存在するすべての物質とエネルギーの総体を指す言葉。英語ではuniverseあるいはcosmosという(哲学でいう「宇宙」の英語名には秩序のある世界を意味するcosmosが使われることが多い)。
また、私たちが住む宇宙とは異なる宇宙が存在すると考える多元宇宙論(multiverse)においては、私たちが住む宇宙(the Universe)とは異なる性質を持つ宇宙たち(universes)という意味で、「宇宙」が使われることもある。
2. 地球の大気圏の外側の宇宙空間のこと。主に人間が人工衛星や惑星探査機などでの科学観測やその他の活動を行うことができる空間を指すことが多い。この場合の英語はspaceがあてられる。

静止軌道にある日本の気象衛星「ひまわり8号」が撮影した地球の全面画像を2015年12月21日から2016年12月21日までの1年分をつないで早送りで見せる動画が製作されている。『A Year Along the Geostationary Orbit(静止軌道から見た1年)』と名付けられた約15分のこの動画では、雲と台風の動きや白夜の起きている様子などがよく分かる。2016年3月9日の皆既日食(タイムコード4:48)も記録されている。地球全面画像だけでなく、オーストラリアと日本付近を中心にズームインした詳細な動画も見られる。
アヌシー国際アニメーション映画祭2019のVimeo Staff Pick Awardを受賞したドイツのFelix Dierich氏による芸術作品であるが、宇宙から見た地球の1年がよく分かる科学映像としても高い価値がある。
『A Year Along the Geostationary Orbit』 https://vimeo.com/342333493

日本語の「星」という語は一般社会でも天文学でも、使う人の立場や使われる文脈によって意味が異なるため、その使用や解釈には注意が必要である。特に、一般社会と天文学では異なる意味で使われることが多い。天文学では宇宙に存在する物体の総称が天体であり星は天体の一部である。
一般社会では、晴れた夜空に点のように光って見える天体(恒星惑星)を星と呼ぶが、流れ星(流星)とほうき星(彗星)も含めて星ということもある。また、極めて広い意味で用いる場合には、「星の数ほど」などの表現に見られるように、象徴的にすべての天体を指す場合もある。文脈によって指すものが異なるので注意が必要である。
天文学において「星」と言えば一般に恒星を指し、惑星や流星や彗星を星と呼ぶことはない。恒星は「天体内部の核融合によりエネルギーを作りだし、自ら輝いている天体」である。この定義からすれば、星の進化の最初期段階にある原始星前主系列星、及び最後期段階にある白色矮星及び中性子星は恒星ではないが、これらも「星の進化」という流れの中で星と呼ばれることが多い(恒星の進化を参照)。
恒星にはさまざまな種類のものがあるので、天文学では恒星という総称ではなく、主系列星赤色巨星水平分枝星などHR図上の位置、O型星、G型星、M型星などスペクトル型、あるいは変光星フレア星など星の性質を用いるなどして細分し、それぞれの名称を定義して研究対象を示すことが多い。ただし、「星までの距離」や「星の固有運動」などのように、特に細分を必要としない時には総称である星を用いることがある。また、恒星とその集団である銀河を対比して、「星は銀河の中にある」という場合などでは、恒星の定義や細分を考えずに、概念的に星間物質以外の銀河の構成天体すべてを星と表現する。メーザー天体などの点状電波源を含む場合もある。
このように、天文学においても「星(恒星)」という語は、文脈によって指す対象が異なることがあるので注意が必要である。

太陽系外縁天体のなかで、冥王星と同様に、軌道が海王星と3:2の共鳴状態にあり、公転周期が海王星の約1.5倍の天体のことを指す。共鳴外縁天体冥王星型天体惑星も参照。

大きく見える満月をスーパームーンと称することが多いようであるが、スーパームーンは学術用語ではなく、科学的な定義はない。地球の周りを回る月の軌道は楕円形なので、地球に近い位置で起きる満月と遠い位置で起きる満月は直径で14%程度(面積で30%程度)の違いがある。当然明るさも異なる。しかし、「この大きさ以上に見える場合をスーパームーンと呼ぶ」という定義は存在しないので、あるときの満月がスーパームーンであるかないか、次のスーパームーンはいつかなどを一義的に言うことはできない。また、正確な測定装置を用いないと、人間の感覚だけで月の大きさや明るさの違いを実感することは難しい。地平線近くにある月が大きく見え、天頂近くにある月が小さく見えるように、月の見かけの大きさの違いは主に錯覚によるからである。より詳しい解説は国立天文台のサイトにある。
https://www.nao.ac.jp/faq/a0207.html

Wボソンとともに弱い力を媒介する中性のスピン1のボース粒子(ボソン)で、電荷はもたず質量は陽子の約90倍。Wボソンと同様にワインバーグとグラショウ、およびサラムによって電磁気力弱い力を統一する電弱相互作用の枠組みの中で1960年代後半に予言され、1983年に欧州原子核研究機構で発見された。
電弱相互作用では電子から電子へ、あるいは電子ニュートリノから電子ニュートリノへのような始状態と終状態で電荷が変わらない素過程の存在が予言されるが、この反応はZボソンで媒介されるため、Zボソンの発見によって電弱理論が強く支持される結果となった。