ビームパターンのうち、最も感度が高い方向を中心とした一続きの高感度の部分。境界の明確な定義はないが、通例、中心から離れる方向に対して最初の極小値となる範囲で囲まれた部分をいう。主ビームの外側で同心円状ないし局所的に感度が高い範囲はサイドローブと呼ばれる。
ジョン・ハーシェル(John Frederick Herschel;1792-1871)はイギリスの天文学者、数学者。化学にも通じ、写真術の開拓者でもあり、万能の科学者とも言われる。天王星の発見などで知られたウィリアム・ハーシェルの一人息子で、カロライン・ハーシェルの甥でもある。イギリスのスラウで生まれ、ケンブリッジ大学で学び、卒業後は父親と天文学の共同研究を始めた。父親の二重星カタログの改訂・増補などの業績で、1825年にフランスのラランデ賞、26年に王立天文学会のゴールドメダルを受賞。1821年には数学の研究でも、王立学会からコプリーメダルを授与された。王立天文学会会長の職は、生涯で3回歴任している。
1833年に、南天の掃天観測を目指して、南アフリカのケープタウンに渡り、南天での星計数観測を行った。星雲目録も作ったほか、ケープタウンでは天文観測以外に、妻と共に植物学の研究も行った。1838年に英国に戻り、1847年には『喜望峰における天文観測結果』を出版して、現在も使用される土星の衛星7個の名前を提案した。また、後年、天王星の5個の衛星にも命名している。1864年には後のNGCカタログの基礎となる星雲・星団の総合カタログ(GC)を出版した。星の光度の測定を行ない、1等星と6等星の光量差が100倍であることを発見した。写真術の開拓者でもあり、定着液ハイポ(チオ硫酸ナトリウム)は彼の発案である。著作活動も旺盛に行ない、1830年の『自然哲学の研究序説』は科学研究の方法論を述べており、まだ学生だった進化論のチャールズ・ダーウィンに大きな影響を与えたことでも知られる。晩年は造幣局長官となり、ナイトに叙せられた。
2009年7月16日にスペースシャトル・エンデバーによって打ち上げられ、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟に取り付けられて、同年8月から観測を行っている全天X線監視装置 (Monitor of All-sky X-ray Image) 。スリットを用いた細長い視野を持つ二種のカメラ(ガススリットカメラとX線CCDスリットカメラ)を搭載し、前者は2-30 keV、後者は0.7-7 keVのX線を観測している。視野は軌道周期92分で全天の約80%をカバーするため、狭い視野のX線望遠鏡では観測が困難な多数の変動現象や突発現象をとらえて全世界に通報し、観測データを公開している。
ホームページ:http://134.160.243.88/top/index.html
放物面鏡等を用いる古典的な光学系では、光軸に対して軸対称に主鏡を作るが、光軸を避けた鏡面の一部(片側)のみを使用する光学系のこと。主鏡面が放物面鏡の電波望遠鏡で採用する場合には、オフセットパラボラアンテナと呼ぶことも多い。この光学系に対して、軸対称に作った光学系を特に軸対称光学系と呼ぶことがある。軸対称光学系では、光軸上に設置した観測機器や副鏡およびその支柱が開口の中心部に入射する電磁波をさえぎる。これをブロッキングという。その結果、実質的な開口面積が減少するとともに、外周以外にも開口面の不連続が生じるためにサイドローブが増加する。軸外し光学系は、焦点が光路から外れた位置になるため、そこに設置する観測装置や副鏡等のブロッキングが発生せず、アンテナ開口能率もビームパターンもほぼ理想的にすることができる。ただし、主鏡など大きな鏡面の場合には、その力学構造が非対称になるため、支持構造が複雑になりがちである。このため、主鏡口径が小型の望遠鏡で採用される場合が多いが、米国立電波天文台のグリーンバンク100m電波望遠鏡や南アフリカのMeerKat電波望遠鏡など、比較的大型の電波望遠鏡でも軸外し光学系を採用する例が増えている。
マーガレット・バービッジ(E.Margaret Burbidge;1919- 2020)はイギリス生まれのアメリカの天体物理学者。イギリスの大学を卒業した後、アメリカの大型望遠鏡で分光観測をする研究を望んだが、当時の女性差別的伝統のために実現できず、1943年にロンドン大学で学位を取得した。1951年に初めて渡米、ヤーキス天文台で主に星の元素組成を研究した。その後イギリスに戻り、夫である天体物理学者のジェフリー・バービッジ、ファウラー、ホイルと共同研究を行ない、ほとんどの化学元素は星の中の原子核反応で生成されるという仮説を述べた、有名なB2FH論文を1957年に発表した。1972-73年、グリニッジ王立天文台長を務め、1972年にアメリカ天文学会からアニー・キャノン賞、1984年にはラッセル賞を授与された(アニー・キャノン賞は辞退している)。1976年にはアメリカ天文学会長に就任、翌年米国市民権を得た。1977-88年の間、カリフォルニア大学サンディエゴ校の天文・宇宙科学センターの初代所長も歴任している。2020年4月5日、転倒からの合併症により、カリフォルニア州サンフランシスコの自宅で死去、満100歳であった。
ネイチャーによる追悼記事 https://www.nature.com/articles/d41586-020-01224-9
英国王立協会による追悼文 https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsbm.2021.0017
気候の構成要素である大気と海洋の中で起きるさまざまな事象を物理法則を基礎に定式化して, 気候を再現したり予測したりするコンピュータの中に作られた擬似的な地球のモデル(計算プログラム)。気候モデルでは、連続的に温度や密度などの性質が変化する大気や海洋を、細かな格子(ブロック)に分割し、その格子の中では状態(温度、密度、速度など)が一定と仮定して、一つの格子の状態が隣り合う格子にどのように影響するかを、微分方程式を用いて計算する。
かつては大気モデルと海洋モデルなど気候システムの要素ごとにモデルが作られていたが、コンピュータの発達により、大気と海洋を結びつけた大気海洋結合モデルが可能となった。人為的な気候変動のリスクに関する最新の科学的・技術的・社会経済的な知見をとりまとめて評価し、各国政府に助言と忠告を行う「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が数年おきに発表する報告書は、世界の研究機関における多数の気候モデルの予測に基づいており、その作成と査読には、世界中の千人規模の研究者が参加している。2021年のIPCCの第6次報告書では「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。大気、海洋、雪氷圏及び生物圏において、広範囲かつ急速な変化が現れている。」としている。
1960年代にコンピュータの数値計算による気候モデルの研究に取り組み、大気海洋モデルを開発し、1989年に大気中の二酸化炭素濃度の増加が地球温暖化に影響することを実証した真鍋淑郎博士は2021年にノーベル物理学賞を受賞した。
ハーバード分類で表面温度の系列に属する最も高温の星。表面温度は∼45,000(K)以上。質量は太陽の約25-120倍。水素のバルマー線は無いか弱い。主な吸収線は電離ヘリウム線(HeII)、高電離の炭素(CIII)、窒素(NII)、酸素(OIII)、ケイ素(SiIV)の線。例、オリオン座メイサ(オリオン座の頭にある天体)O8。
スペクトル型(星の)を参照。
一般には、地球温暖化を指すことが多い。地球全体として、気温、降水量、地表の氷の量、気圧配置、海流や海水温度などはさまざまな時間スケールで変化している。そのうち比較的に長い時間スケールの変化を気候変動という(数年以下の周期で変化するエルニーニョ現象などは気候変動には含まれない)。気候変動の原因には、太陽活動の変化、火山噴火による大気中の微粒子の増加などの自然現象によるものと人間活動によるものがある。
アメリカの二つのメディア誌、コロンビア大学の「コロンビア・ジャーナリズム・レビュー」と「ザ・ネーション」の呼びかけで始まった、気候変動の報道を強化するキャンペーン「Covering Climate Now」に参加するイギリスの新聞ガーディアンは、2019年5月にスタイルガイドを更新し、「気候変動(climate change)」よりも「気候緊急事態(climate crisis)」、「気候危機(climate crisis)」、「気候崩壊(climate breakdown)」などを、また地球温暖化(global warming)」よりも「地球酷暑化(global heating)」を使用することを勧めている。ただし、ここに示した新用語の日本語訳はまだ定着したものではない。
地球の平均気温が長期的に上昇すること。地球全体として、気温、降水量、地表の氷の量、気圧配置、海流や海水温度などはさまざまな時間スケールで変化している。そのうち比較的に長い時間スケールの変化を気候変動という(数年以下の周期で変化するエルニーニョ現象などは気候変動には含まれない)。気候変動の原因には、太陽活動の変化、火山噴火による大気中の微粒子の増加などの自然現象によるものと人間活動によるものがある。地球温暖化はほとんどの場合、このうちの人間活動に起因する20世紀以降の急速な平均気温の上昇を指す。
(以下に述べるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次および第6次報告書とその間に出された特別報告書についてはIPCCにリンクが整理されている)
急速な地球温暖化の主な原因は、産業革命以降人間の活動に伴って、温室効果を引き起こす大気中の二酸化炭素やメタンなどのいわゆる温室効果ガスの濃度が急速に高まってきたためである。地球温暖化については、自然の影響が主な原因で、人間活動の影響(人為影響)はないか、あるとしても影響は少ないという人為影響への「懐疑論」もあったが、2013年から14年にかけて公表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次報告書では、複数の精密な気候モデルを用いた解析から、人為影響が支配的であると明確に述べられた。2018年10月発表された特別報告書では、将来の平均気温の上昇幅が産業革命以前の水準から1.5℃と2℃の場合の影響の違いは大きく、ここ数年で世界各国が何をすべきかがとても重要であることを指摘している。
2021年8月に公表されたIPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書の政策決定者向け要約(SPM)において、IPCCは気候の現状に対し、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない。大気、海洋、雪氷圏及び生物圏において、広範囲かつ急速な変化が現れている。」とした。さらに「気候システム全般にわたる最近の変化の規模と、気候システムの側面の現在の状態は、何世紀も何千年もの間、前例のなかったものである。」とも表現している。
これらIPCCに関する資料は以下から参照できる。
第5次評価報告書 https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar5/index.html
1.5℃特別報告書 https://www.env.go.jp/press/files/jp/110087.pdf
1.5℃特別報告書の概要
https://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th/ar6_sr1.5_overview_presentation.pdf
第6次評価報告書 https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar6/index.html
アメリカの二つのメディア誌、コロンビア大学の「コロンビア・ジャーナリズム・レビュー」と「ザ・ネーション」の呼びかけで始まった、気候変動の報道を強化するキャンペーン「Covering Climate Now」には、2019年9月現在、世界の約250以上のメディアが参加している。これに参加するイギリスの新聞ガーディアンは、2019年5月にスタイルガイドを更新し、「気候変動(climate change)」よりも「気候緊急事態(climate crisis)」、「気候危機(climate crisis)」、「気候崩壊(climate breakdown)」などを、また地球温暖化(global warming)」よりも「地球酷暑化(global heating)」を使用することを勧めている。ただし、ここに示した新用語の日本語訳はまだ定着したものではない。2023年には国連のグテーレス事務総長が、7月の世界の平均気温が過去最高を更新する見通しとなったことを受け、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化(global boiling)の時代が到来した」と述べた。 https://www.coveringclimatenow.org/
1992年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)で、当時12歳のカナダのセバーン・スズキさんが、「子どもの環境団体」(ECO:the Environmental Children's Organization)を代表して行ったスピーチは、大人が行動すべきと子どもの視点から出席者に強く訴え、後にとても有名になった。
2019年9月23日にニューヨークで開かれた国連気候行動サミットでは、スウェーデンの環境活動家である女子学生のグレタ・トゥンベリさんが、地球温暖化への取り組みが遅れている各国リーダーを前にスピーチを行った。温暖化対策を訴えるため、学校の授業をボイコットし、ストックホルムの国会議事堂前で座り込みを始めた彼女には、世界の多くの若者から共感が寄せられ、スピーチに先立つ9月20日には、気候危機への対応を求める世界一斉デモが日本を含む163の国と地域で行われた。
地球温暖化とその対策に関する情報はたとえば以下のようなサイトで知ることができる。環境省のCOOL CHOICEサイトでは、CO₂などの温室効果ガスの排出量削減のために、脱炭素社会づくりに貢献するさまざまな取り組みとデータなどが紹介されている。
環境省COOL CHOICEサイト https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/about/
気象庁地球温暖化ポータルサイト https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/index_temp.html
国立環境研究所 http://www.nies.go.jp/
全国地球温暖化防止活動推進センター http://www.jccca.org/
一般社団法人 地球温暖化防止全国ネット https://www.zenkoku-net.org/
公益財団法人 日本環境協会 http://www.jeas.or.jp/
また地球温暖化に対する懐疑論もあるが、懐疑論の主な論点毎に科学的データに基づいた反論をまとめた資料が以下にある。
https://web.archive.org/web/20131202221617/http://www2.ir3s.u-tokyo.ac.jp/web_ir3s/sosho/all.pdf
リオデジャネイロで開かれた国連環境開発会議(地球サミット)におけるセバーン・スズキさんのスピーチ(1992年6月)
https://youtu.be/embed/T9YaagLB5Fg
2019年9月23日の国連気候行動サミットでのトゥンベリさんの演説
https://youtu.be/OAQ-JCYPGac
環境省“2100年の天気予報” 全国140カ所で40度超(19/07/09)
https://www.youtube.com/embed/4jrrxPrG9vY
世界気象機関(WMO):2050年の天気予報(NHK)
https://youtu.be/NCqVbJwmyuo
「地球沸騰化(global boiling)」という言葉が用いられた国連のグテーレス事務総長の記者会見(2023年7月27日)。
https://www.youtube.com/embed/dbzjwFbq098?si=a77Uxt3vOJxMObQZ
未来の天気予報~今なら予報を変えられる(UNDP駐日代表所)
https://www.youtube.com/embed/tKJSHY_5DFw?si=RiNl0qJl-7YtEd1P"
イタリア宇宙機関(ASI)によって2007年4月23日に打ち上げられたガンマ線望遠鏡衛星(Astrorivelatore Gamma a Immagini Leggero) 。打ち上げにはインド宇宙研究機関(ISRO)のPSLV-C8ロケットが用いられ、軌道傾斜角2.5度の準赤道軌道に投入された。シリコンストリップ検出器を用いてガンマ線が対生成する電子・陽電子の飛跡をとらえて方向を求め、35 MeV~50 GeVのエネルギーのガンマ線に感度を持つGRID (Gamma Ray Imaging Detector)と、18~60 keVの硬X線に感度を持つSuperAGILE、および350 keV~100 MeVのガンマ線に感度を持つMCAL (Mini-Calorimeter)の検出器を搭載し、AC (Anti-coincidence system)で覆うことにより荷電宇宙線バックグラウンドを反同時計数法で排除している。2020年現在も観測を継続している。
ホームページ:http://agile.rm.iasf.cnr.it/
NASAのHigh Energy Astrophysics Science Archive Research Center (HEASARC) のページ
https://heasarc.gsfc.nasa.gov/docs/heasarc/missions/agile.html
新星の約1,000倍の明るさに達する爆発現象。中性子星の連星または中性子星とブラックホールの連星が合体することによって発生すると考えられていたが、2017年8月17日に40メガパーセク(40 Mpc=1.3億光年)という近距離の銀河NGC4993で、二重中性子星連星が合体してキロノバが発生したことが、重力波と全ての波長の電磁波で観測された(GW170817)。キロノバは、中性子を捕獲するr過程によって鉄より重い元素が造られる場所の一つと考えられていたが、GW170817に伴うキロノバの電磁波観測から、そこで実際に重元素が合成されたことがほぼ確実と考えられるようになった。
すばる望遠鏡 HSC で観測された重力波源 GW170817 (重力波天体が放つ光を初観測)
https://youtu.be/99HxonZjoBs
観測しようとしている信号が、雑音に対してどの程度の振幅ないしパワーを持っているかを示す指標。信号雑音比、あるいはS/N比、SN比、SNRともいう。信号対雑音比が高いものほど確度が高い情報であるといえる。雑音等価電力、ダイナミックレンジも参照。
プラズマ粒子の時間発展を解くシミュレーション方法の一つ。
粒子(particle)の運動に影響を与える電磁場の時間発展は格子(cell)を切った各格子点で計算されるためこのように呼ばれる。
コンプトンガンマ線衛星に搭載されたMeV領域ガンマ線の検出器 (Imaging Compton Telescope) 。二段式で、上段に液体シンチレーション検出器、下段にNaIシンチレーション検出器を備え、上段でコンプトン散乱を起こした入射ガンマ線の反跳電子を下段で検出することにより、入射ガンマ線の方向の情報を天球上の円環状の領域として知ることができる。多数のガンマ線の円環領域が重なる領域がガンマ線を放出する天体の方向となる。0.75 MeVから30 MeVのガンマ線に感度をもち、全天マップの作成や、アルミニウム26からの1.809 MeV、中性子捕獲からの2.223 MeVなどのラインガンマ線の検出に成功した。
ホームページ:https://heasarc.gsfc.nasa.gov/docs/cgro/comptel/
はくちょう座P星のスペクトルに見られるような輝線と吸収線が隣り合うスペクトル線の形状のこと。静止波長を中心とする強い輝線と短波長側にドップラー偏移した吸収線からなる。恒星からの高温ガスの流出(星風)があるときに観測される。名前の由来となったはくちょう座P星はB2型の超巨星で、表面からは秒速約200 kmで大量のガスが放出されている。
恒星の中心部でおきる核融合反応の一つ。4つの陽子(水素の原子核, p)から α(アルファ)粒子(ヘリウムの原子核)を合成する一連の水素燃焼反応。陽子-陽子連鎖反応とも呼ぶ。
小質量の主系列星の主要なエネルギー源であり、太陽のエネルギーもppチェインによるものである。一番上の図に示すようにppⅠ, ppⅡ, ppⅢの3つの分岐がある。温度が低い場合は ppⅠだけが働くが、温度が高くなるにつれ ppⅡやppⅢが重要になる。温度が1.5×107 K を超すと、CNOサイクルのほうが主な水素燃焼反応となる。太陽の質量がもう少しだけ大きく、中心温度がもう少し高かったら、ppチェインに代わってCNOサイクルが支配的になり、より効率よくエネルギーを放出して進化が速まり、現在まで存続していなかっただろう。
CALorimetric Electron Telescopeからつけた略称。 2015年8月19日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機によって打ち上げられ、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟に取り付けられて、同年10月から観測を行っている高エネルギー電子・ガンマ線観測装置。JAXA・NASA・ASI(イタリア宇宙機関)の共同計画である。カロリメータ(CAL)とガンマ線バーストモニタ(CGBM)の二種の検出器を搭載し、前者は高精度で高エネルギーの電子やガンマ線、陽子・原子核成分を観測して、宇宙線の起源・伝播の解明やダークマターの探索を行い、後者は広い視野でガンマ線バーストの発生を監視する。
天然には存在しない不安定な原子核を、同一の方向に光速に近い速度で進むよう加速させた細い粒子の束(ビーム)。RI はRadio Isotope(放射性同位元素)の頭文字。標的となる原子核と衝突させることにより、不安定な原子核の構造や反応率を調べるために使われる。RIビームを用いた実験はr過程の解明に必要なデータを与えると期待されている。理化学研究所では超大型RIビーム発生装置RIビームファクトリー(RIBF)を2007年から運用し始め現在も高度化が行われている。中性子捕獲元素も参照。
宇宙航空研究開発機構を参照。
こと座RR型変光星を参照。
