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ラッセル

 

よみ方

らっせる

英 語

Russell, Henry Norris

説 明

アメリカの天文学者(1877-1957)。恒星の分類と進化に非常に重要な役割をするHR図を作った。プリンストン大学で天文学を学び、学位をとる。ケンブリッジ天文台に勤務したのち、プリンストン大学の天文台長になった。恒星の光度-スペクトル型を2次元に表現した図は、ヘルツシュプルングと独立に作ったが、この図はヘルツシュプルング-ラッセル図、略してHR図と呼ばれるようになった。恒星はHR図上で、主に巨星と矮星に分けられることを示した。HR図上で、星の進化は赤い低温の巨星から始まり、収縮しつつ主系列上を高温から低温に移るという、重力エネルギーによる説明を行ったが、実はこの説明は誤りだった。また、星の内部構造は唯一に定まっていることをラッセル-フォクト定理で示した。星の構成元素組成としては、水素が主でない、ラッセル組成を採用した。量子力学のL-S結合はラッセル-ソーンダース結合として知られる。ラッセルの天文学教科書は広く読まれた。

2018年08月15日更新

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