二重ブラックホール連星のこと。
ブラックホールを含む連星系。両方の星がブラックホールである二重ブラックホール連星も含むほか、片方がブラックホールであって、もう一方が中性子星、白色矮星からあるいは通常の恒星である連星を含む、幅広い連星系に対して用いられる。X線連星系も参照。
星食を参照。
流星の元になる小さな天体。流星体とも言う。惑星間空間にある大きさが約30マイクロメートルから1メートル程度の固体の天体。これが惑星大気に突入するときに流星が発生する。
(参考)国際天文学連合による流星天文学の用語の定義と解説:
https://www.iau.org/Iau/Science/What-we-do/Meteors-and-Meteorites.aspx
放射線を参照。
放射線を参照。
リカルド・ジャッコーニ(Riccardo Giacconi; 1931-2018)は、イタリアに生まれ後にアメリカに国籍を移した天体物理学者。
小角反射を利用したX線望遠鏡を開発し、1950年代からロケットに搭載したX線望遠鏡と検出器で宇宙X線の観測を試み、太陽系外からX線が届いていることを初めて示し、1970年打ち上げの最初のX線天文衛星であるUHURU衛星、1978年打ち上げのアインシュタイン衛星、1999年打ち上げのチャンドラ衛星を主導するなど、X線天文学を開拓し、その発展もに大きな役割を果たした。
1981年からはハッブル宇宙望遠鏡のために設立された宇宙望遠鏡科学研究所の初代所長、1993年からはヨーロッパ南天天文台の所長、1999年からはアルマ望遠鏡を運用する大学連合株式会社の社長を務めた。「宇宙X線源の発見につながる天体物理学開拓への貢献」に対し、レイモンド・デービスJr.、小柴昌俊とともに2002年のノーベル物理学賞を受賞した。
NASAのマーズ2020ミッションの火星表面探査車の名称。パーサビアランス(perseverance: パーシビアランスとも表記)は「忍耐」という意味で、愛称はパーシィ。カメラ等の観測・分析機器の他に、地球以外の大気中をはじめて飛行する超小型の軽量ヘリコプター(ドローン)「インジェニュイティ」(Ingenuity: 創意あふれる工夫という意味)が搭載されている。2020年7月30日に打ち上げられ、2021年2月19日早朝(日本時間)火星のジェゼロクレーターへ着陸した。
パーサビアランスの最大の科学目標は、火星にかつて微生物などの生命が存在した痕跡を見いだすことである。着陸地点のジェゼロクレーターは、北緯18度の直径50kmほどのクレーターで、河川が流入した三角州地形が複数有り、粘土鉱物も確認されている。長期間水が存在して生命の痕跡が残っていることが期待される。着陸地点付近の様々な場所で地面を掘って土や岩の破片など試料を採取し分析するほか、それを容器に入れて地表面に置き、後継のミッションでそれを地球に持ち帰ってさらに詳しく分析するサンプル・リターン計画の一翼を担う。回収にあたる火星周回機と着陸船は2026年に打ち上げ、サンプルは2031年に地球に帰還する予定である。パーサビアランスは、キュリオシティの経験を基にさらに高度な技術を投入して設計されている。重量は約1トン。火星表面で5-20 kmを移動することができる。
パーサビアランスには、土壌や岩石の化学組成や鉱物組成を調べる高性能カメラ、X線蛍光分光計、地下10mまで調べられるレーダー撮影装置、温度・湿度・風など気象状態を計測する装置、火星大気中の二酸化炭素から微量の酸素を作る装置などさまざまな観測・分析機器が搭載されている。2021年4月19日にはインジェニュイティが初めての飛行に成功した。地球以外の天体で人類が回転翼機を飛行させたのは初めてのことである。ちなみに火星の大気はとても薄く、表面の大気圧は地球の1%以下である。また4月21日には、実験装置「MOXIE(Mars Oxygen In-Situ Resource Utilization Experiment)」によって、火星の大気に含まれる二酸化炭素から1時間で約5.4グラムの酸素の生成に成功した。これは1人の人間が約10分間呼吸できる量である。
NASAの関連サイト:
https://www.nasa.gov/perseverance
https://mars.nasa.gov/mars2020/
パーサビアランスの着陸までの映像
https://youtu.be/embed/4czjS9h4Fpg
超軽量小型ヘリコプター「インジェニュイティ」の初飛行の映像
https://youtu.be/embed/QNpNVscpN3E/blockquote>
その片方がパルサー(中性子星)である連星。双方ともパルサーである二重パルサー連星も含むほか、片方がパルサーであって、もう一方がブラックホール、白色矮星、中性子星、あるいは通常の恒星である連星を含む、幅広い連星系に対して用いられる。
1974年、マサチューセッツ大学のハルス(Russell Hulse)とテイラー(Joseph Taylor, Jr.)が発見したパルサーPSR B1913+16は、もう一つの中性子星と連星系を成している。このパルサー連星は、エネルギー損失により軌道が縮小し公転周期が短くなっている。一般相対性理論が予言する重力波の放出によるエネルギー損失と、観測されたエネルギー損失の割合が正確に一致しているため、このパルサー連星は重力波が実在する確実な証拠とされた。ハルスとテイラーはこの業績により、1993年のノーベル物理学賞を受賞した。重力波は2015年9月にアメリカの重力波観測装置LIGOにより、アインシュタインの予言から100年後に初めて観測された。
連星を構成する天体が両方ともパルサー(中性子星)として検出されている連星系。現在 J0737-3039ただ一つの連星のみである。先に発見されたパルサー PSR J0737-3039A の自転周期は0.023秒, 後から発見されたパルサー PSR J0737-3039B の自転周期は 2.7秒である。2つのパルサーは重力波放出によって軌道角運動量を失うことで近づき、約85万年後に合体すると一般相対性理論に基づく計算で見積もられている。PSR J0737-3039B と地球との間にPSR J0737-3039A が位置する時、PSR J0737-3039Bから観測される電波パルスに吸収が見られる。これはPSR J0737-3039Aの周囲の磁気圏のプラズマの影響であり、そのプラズマ密度が測定されている。二重中性子星連星も参照。
天文学の振興及び普及を目的とする公益社団法人で、100年を超える歴史を持つ学術団体である。2021年に「天文学のすすめ」を公開した。
日本天文学会は1908年(明治41年)1月19日に創立され、1935年(昭和10年)1月18日に「社団法人日本天文学会」としての設立を文部省から認可された。1897年(明治29年)制定の民法で定められていた公益法人制度の改革が2000年に始まり、2008年12月に公益法人制度改革関連3法案が施行され、それ以前から存在していた法人は施行日から5年以内に新制度下の法人に移行することが定められた。これを受けて、社団法人日本天文学会は新制度の下で公益認定を受け、2012年(平成24年)12月28日に内閣府に登記を行い、「公益社団法人日本天文学会」が発足した。2019年現在の会員数は約3,300名である。会員(正会員、準会員)には天文学の研究者のみでなくアマチュア天文家など愛好家も含まれる。
主な事業は、年に二回春と夏に行われる年会の開催、研究成果を世界に向けて発信する欧文研究報告 (Publications of the Astronomical Society of Japan: PASJ)の発行、および研究成果の解説、学会の活動報告、会員間の連絡などを行う会誌「天文月報」の発行である。このほかにも、各種表彰、若手のキャリア支援、男女共同参画の推進、天文教材開発など天文教育普及活動、インターネット天文学辞典(この辞典)の公開・改訂などの活動も行っている。
各種表彰には、研究業績の表彰に加えて、天体発見賞、天文功労賞、天文教育普及賞など研究者以外を対象としたものもある。2018年度からは、日本天文遺産の認定も行っている。
天文学の普及も目的の一つに掲げており、古くから教材などの開発も行っている。星座早見を編集し出版社を通じて販売しているほか、デジタル画像がまだほとんど利用できなかった1991年に、木曽観測所の天体写真をもとに天体カラー写真スライドセット「遙かなる宇宙へ」を頒布し、教育現場で広く使われた。2008年の創立100周年を記念して、全17巻の「シリーズ現代の天文学」と「日本の天文学の100年」を刊行した。記念切手も発行された。「シリーズ現代の天文学」17巻に基づいて編纂されたシリーズ別巻「天文学辞典」が、このインターネット版天文学辞典の母体である。このシリーズは2版化が進められており、2025年1月段階で、7巻と14巻以外の15巻が第2版となっている。また2024年9月に、新たに18巻として『アストロバイオロジー』が加わった。
日本天文学会の事務所は東京都三鷹市の国立天文台三鷹キャンパス内にある。
ホームページ:http://www.asj.or.jp/
ガス中の原子・分子やイオンの運動による光のドップラー効果の影響で、輝線や吸収線に生じる幅。その半値幅の半分(半値半幅)に相当する波長のずれを生じさせる速度を用いて、「ドップラー幅2000 km/s」などと表されることが多い。線幅拡大、フォークト輪郭、線輪郭、自然幅も参照。
様々な時間や場所における星空および天体の運動を、観覧者をおおうドーム型のスクリーンに再現する装置。ドーム内に設置された装置のみでなく、ドームまで含めた設備全体、さらに、それを含む施設全体をプラネタリウムと呼ぶことも一般的である。そこから派生して、ドームや投影機を持ち運んで投影する移動式のものをモバイルプラネタリウムと呼んだり、単に星空を映す器具や家庭用のもの、さらにコンピューターやゲーム機などで星空を扱うソフトウェアもプラネタリウムと呼ぶようになっており、多義的に使われている。もともとプラネタリウムという言葉には、惑星(planet)に場所を表す接尾辞(-arium)がつけられ、惑星(の動き)を再現する場所という意味がある。
現在のプラネタリウムの投影法には大きく二つの方式がある。一つは、光源からの光を、星の位置に孔をあけた恒星原板を通過させてドームに映す光学式。もう一つはコンピューターの画面をドームに映し出すデジタル式である。本来点像である恒星像の再現能力という点では、光学式がすぐれているが、デジタル式は映像投影機としての能力が高いので、大型のプラネタリウム施設では両者を併設すことが多い。しかし近年ドーム型のLEDディスプレイ(自発光タイプ)が開発されたり、プロジェクタータイプの場合でも映像の解像度や輝度が向上しているので、より汎用性のあるデジタル式のみを設置する施設(主に中型〜小型)も増えている。
プラネタリウムでは、その夜の星空や天体の運行から、天文学・宇宙科学一般についてのさまざまな話題が取り上げられる。初期には解説者が生で解説を行なっていたが、コンピューターなどの進歩により、プラネタリウム本体や各種映像機器の自動化、さらには録音された解説によって投影を行なう施設も増えている。プラネタリウムでは、学芸員など専門職員がいるのが本来であるが、機器の自動化とともに専門職員を置かない場合や、運営自体を外注することも多い。従って体験できる内容や科学的レベルは施設によってまちまちなので、様々な施設を訪れ、自分の好みに合ったプラネタリウムを探すことが勧められる。ちなみに、日本で稼働している一番古いプラネタリウム投影機は明石市立科学館のカール・ツアイス・イエナUPP23/3(2024年4月現在。1960年から兵庫県南部地震(1995年)の影響による中断を含み60年以上に渡り稼働中)、日本最大の大きさは名古屋市科学館の内径35メートルで、世界最大のプラネタリウムドームとしても2011年にギネス登録されている。(2017年にロシアのサンクトペテルブルクにプラネタリウムワン(planetarium 1)という直径37メートルのドームシアターが作られている。)また、横浜こども科学館のプラネタリウムは「最も多くの星を映し出す投影機」として、郡山市ふれあい科学館スペースパークは「地上から一番高いところにあるプラネタリウム」としてギネス登録されている。
近代的な光学式プラネタリウムは、1923年ドイツのカールツァイス社で誕生し、同年10月21日にドイツ博物館で試験公開された。その後改良が加えられ、1925年5月7日にドイツ博物館でプラネタリウムが常設されたことを記念し、国際プラネタリウム協会(IPS)では2023年から2025年をプラネタリウム100周年として記念行事を行なっている。なお、日本プラネタリウム協議会の調査によると、2023年12月現在で日本にはおよそ300の施設が稼働しており、世界2位のプラネタリウム保有国となっている。新型コロナウィルス拡大前の2018年度の全国のプラネタリウムの見学者総数は約889万人、2022年度は790万人であった。
日本プラネタリウム協議会のホームページ https://planetarium.jp
明石市立天文科学館プラネタリウム https://www.am12.jp/planetarium_index/
名古屋市科学館プラネタリウム http://www.ncsm.city.nagoya.jp/visit/planetarium/about/
マージャー(銀河の)のこと。
宇宙とその中にある全てのものの起源と進化とその性質、およびそこで起きるさまざまな現象を知ることを目的とする学問である。「天文学」の他に「天体物理学」、「宇宙物理学」、「宇宙科学」などそれぞれの側面を反映した名前も用いられるが、天文学とそれらの違いは明確に定義されてはいない。天文学の内容については、日本天文学会が2021年に公開した「天文学のすすめ」と「大学で学ぶ天文学」も参照されたい。
天文学は人類の歴史で最古の学問の一つであるが、20世紀後半とくに21世紀に入ってからの天文学の発展はめざましく、他の学問分野との新たな関わりも生まれている。天文学の対象は、その現場に行って測定することができず、また条件をいろいろに制御して実験をすることができないものである。惑星探査機等の登場によって、太陽系内の天体は、現場やその近くで観測ができるようになって、これらの多くは天文学というより惑星科学の主要な対象となった。また近年続々と発見されている、太陽以外の恒星の周りを回る太陽系外惑星は、天文学の新たな対象であるが、惑星科学、生物学、化学など広い分野を含むアストロバイオロジーの対象ともなっている。
天文学では、対象から地球に届くさまざまな情報を収集し分析する受動的な研究方法が主体となる。宇宙から届く情報を得るための最も伝統的な観測手段は電磁波で、中でも可視光は古代から観測の主役であった。20世紀までは可視光以外の電磁波による観測では、空間分解能や波長分解能など分解能が十分でなかったので、電磁波の全ての波長で可視光に匹敵ないしは凌駕する高品質の観測を実現することを目指した。それは「多波長天文学(multi-wavelength astronomy)という標語で天文学の目標となっていた。現在では、電波、赤外線、紫外線、X線、ガンマ線という電磁波のほぼ全ての波長にわたって高い空間分解能で宇宙を観測することができる。
1912年に宇宙線が発見され、それは宇宙から届く高エネルギー粒子や電磁波であることがわかった。さらに、1997年には大マゼラン銀河で起きた超新星のSN1987Aからのニュートリノが日本のカミオカンデにより検出された。これは太陽以外の天体から来るニュートリノの初めての観測であり、ニュートリノ天文学への道が拓かれた。そして2017年には、アインシュタインの一般相対性理論が100年前に予測した重力波がついに検出された。これにより、電磁波、宇宙線粒子、ニュートリノ、重力波などさまざまな観測手段(情報を伝えるメッセンジャー)を総合して研究を進める「マルチメッセンジャー天文学」が天文学の新しい流れとなった。
天体から届く情報の分析にはコンピュータが欠かせない。天文学では実験ができないので、観測結果をコンピュータシミュレーション(模擬実験)の予測と比較することが重要な研究手段となる。このため、コンピュータは「理論の望遠鏡」と呼ばれることがある。さまざまなメッセンジャーからもたらされるデータを整理統合した大規模データベースは新たな発見の宝庫であるが、その構築と分析にもコンピュータは不可欠である。さらに、実験室で宇宙の極限環境に近い状態を作りだし、宇宙にしか存在しない分子や固体微粒子を生成しその反応過程や性質を調べる実験宇宙物理学も天文学の重要な研究手段である。
天文学は、古来から人類の世界観に大きな影響を与えて来たため、現代でも自然科学、工学だけでなく、人文社会分野の多くの学問と関わりを持っている。このため天文学は、科学コミュニケーション・アウトリーチ活動を通じて実社会との関わりが強い学問分野の一つである。日本でもその重要性は以前より認識されており、
国立天文台天文情報センター公式サイト
https://prc.nao.ac.jp/prc/
'Strategic Plan 2020-2030' (英語版)
https://www.iau.org/administration/about/strategic_plan/
「戦略計画 2020-2030」(日本語版)
https://tenkyo.net/activity/iau-publications/iau_strategic_2019_jp/
'Big Ideas in Astronomy-A Proposed Definition of Astronomy Literacy'(英語版)
https://www.iau.org/news/announcements/detail/ann19029/
「ビッグアイデア-天文学の主要概念-天文学リテラシーの提案」(日本語版)
https://tenkyo.net/activity/iau-publications/big_ideas2020/
'From Medicine to Wi-Fi; Technical Applications of Astronomy to Society'(英語版)
https://www.iau.org/public/images/detail/ann19022a/
「天文学の技術と私たちの生活 医療からWi-Fiまで」(日本語版)
https://tenkyo.net/activity/iau-publications/from_medicine_to_wi-fi/
天文学は便宜上、分野に応じてさまざまな名前で呼ばれる学問に分かれている。しかし、何れもそのカバーする範囲が厳密に定義されているわけではなく、あくまで慣例によるものである。日本の教育現場で比較的よく使われているものを参考のために列挙しておく。
【観測波長による分類】
ガンマ線天文学(gamma-ray astronomy)
X線天文学(X-ray astronomy)
紫外線天文学(ultraviolet astronomy)
可視光天文学(optical astronomy)
赤外線天文学(infrared astronomy)
電波天文学(radio astronomy)
ニュートリノ天文学(neutrino astronomy)
重力波天文学(gravitaional wave astronomy)
【観測場所による分類】
地上天文学(ground-based astronomy)
スペース天文学(space astronomy)
【観測対象による分類:注記あり】
太陽物理学(solar physics)
恒星天文学(stellar astronomy)*1
恒星物理学(stellar astrophysics)*2
星間物理学(interstellar matter physics)*3
宇宙化学(astrochemistry)*4
銀河系天文学(Galactic astronomy)*5
銀河天文学(extra-galactic astronomy)*6
銀河考古学(galactic archeology)
ブラックホール天文学(black-hole astronomy)
観測的宇宙論(observational cosmology)
物理学的宇宙論(physical cosmology)
アストロバイオロジー(astrobiology)
宇宙核物理学(nuclear astrophysics)*7
【原理・手法による分類】
天体力学(celestial mechanics)
位置天文学(astrometry)
天体観測学(astronomical observation)
実験宇宙物理学(experimental astrophysics)
データベース天文学(database astronomy)
時間領域天文学(time domain astronomy)
球面天文学(spherical astronomy)
【天文学と社会】
天文教育(astronomy in education)
天文普及活動(astronomy dissemination)
[注記]
*1 日本では歴史的に、個々の恒星の性質と言うより銀河系(天の川銀河)の中の恒星の運動やそれを通した銀河系の構造の研究に対して用いられた。
*2 個々の恒星の構造や進化の研究。
恒星進化論(theory of stellar evolution)、
恒星内部構造論(theory of stellar structure)、
恒星大気構造論(theory of stellar atmosphere)、などに分けることもある。
*3 星間物質の性質やその中で起きる化学反応などの研究。
*4 宇宙で起きるさまざまな化学反応の研究。*3と重なりが多い。
*5 日本では古くは*1でカバーしていた内容。
*6 古くは銀河系外天文学とも呼ばれた。銀河に限らず銀河系外天体をほぼ全て対象に含める。
*7 恒星内部での核融合反応はじめ宇宙で起きる核反応全てを対象。
相互作用銀河を参照。
アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機マーズサイエンスラボラトリーに搭載され、2012年に火星に着陸した探査車(ローバー)の名称。キュリオシティ(curiosity)は英語で「好奇心」を意味する。長さは3 m、総重量は900 kgあり、そのうち80 kgが科学機器の重量である。2004年に火星に降り立ったマーズエクスプロレーションローバー計画のローバーであるスピリットとオポチュニティよりも格段に高度な探査機器を搭載している。2011年11月26日にアトラス Vロケットでケープカナベラル空軍基地から打ち上げられ、2012年8月6日に火星のゲールクレーターの中にある山のふもとに着陸した。
2018年6月7日、NASAはキュリオシティの探査によって、火星に有機分子があること、また、火星にあるメタンの量が季節に応じて変動していることを発見したと発表した。着陸以来キュリオシティは、火星表面を移動しつつ風景を撮影したり、表面を掘って土壌を調査したりして、2024年現在も調査活動を継続中である。
キュリオシテイが撮影した火星表面の動画は火星の項に掲載してある。
ホームページ: https://mars.nasa.gov/msl/home/
キュリオシテイの探査経路と現在位置
https://science.nasa.gov/mission/msl-curiosity/location-map/
アメリカ航空宇宙局(NASA)が、火星表面の地質を観察して岩石を分析することを目的として、2機の無人探査車(マーズローバー)を火星に送り込んだ計画。MERと略称されることがある。2機のローバーはそれぞれスピリット(MER-A)、オポチュニティ(MER-B)と名付けられた。2003年6月10日にスピリットが、同年7月7日にオポチュニティが打ち上げられた。2004年1月3日にスピリットが火星のグセフクレーターに、1月24日にオポチュニティが反対側にあるメリディアニ平原の一角に着陸した。
2機のローバーの運用期間は3か月であったが、スピリットは2010年3月に通信が途絶するまで6年間にわたり探査を実施し、オポチュニティは2018年6月に通信が途絶するまで14年以上にわたって探査を続けた。
ホームページ: https://mars.nasa.gov/mer/
