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素粒子

高

よみ方

そりゅうし

英 語

elementary particle

説 明

物質を構成したり相互作用を媒介したりする、これ以上細かく分けられない最小単位の粒子(ただし量子力学により記述され粒子と波動の二重性を持つ)。

素粒子の標準模型は、12種類のフェルミ粒子と5種類のボース粒子からなり、計17種類の素粒子で構成されている(図1)。12種類のフェルミ粒子はスピン量子数s=1/2 を持ち、物質を構成する粒子である。これらは、アップ、ダウン、チャーム、ストレンジ、トップ、ボトムという6種類のクォークと、電子ミューオン(ミュー粒子)、タウ(タウ粒子)およびそれぞれに対応する3世代のニュートリノからなる6種類のレプトンである。一方、5種類のボース粒子のうち4種類はs=1を持つゲージ粒子で、力を媒介する。これには、強い力を担うグルーオン電磁気力を担う光子、そして弱い力を担う2種類のウィークボソン(WボソンZボソン)が含まれる。残る1種類は、 s=0 のヒッグス粒子であり、自発的対称性の破れを通じて他の粒子に質量を与える役割を果たす。

標準模型に含まれるフェルミ粒子には粒子と反粒子の2種類がある。粒子と反粒子は理論的にはほぼ対等な存在であるが、我々の住む宇宙では粒子が反粒子に比べて圧倒的に多い。この非対称性はバリオン数生成問題と呼ばれ、未解決の問題である。

重力を媒介するゲージ粒子である重力子は未発見である。四つの力物質波も参照。

2025年04月16日更新

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    図1* 標準模型に含まれる素粒子の一覧。
    https://en.wikipedia.org/wiki/File:Standard_Model_of_Elementary_Particles.svg
    を参考にして制作。
    図2* 物質と原子、素粒子の関係