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逆行

高

よみ方

ぎゃっこう

英 語

retrograde motion

説 明

何らかの基準に対して同じ方向に運動することを順行、逆方向に運動することを逆行という。

1.  公転の逆行
公転の順行あるいは逆行には大きく2通りの考え方がある。一つは惑星と同じように黄道の北極方向から見て反時計回りに公転する場合を順行、時計回りに公転する場合を逆行とするもの、もう一つは中心天体の自転と同じ向きに公転する場合を順行、逆向きに公転する場合を逆行とするものである。太陽の周りを公転する天体の場合は両者はほぼ同義であるが、惑星の周りを公転する衛星の場合はどちらの定義が用いられているか注意が必要である。逆行する天体の公転軌道を逆行軌道と呼ぶ。
惑星など太陽の周りを公転する天体の多くは順行しており、これらの天体がひとつの原始惑星系円盤として運動する中から生まれてきたことを物語っている。逆行するのは一部の小惑星彗星に限られ、その中にはハレー彗星などが含まれる(図1)。太陽系以外の太陽系外惑星の中には、主星の自転と逆行する向きに公転する惑星もいくつか見つかっている。
木星土星などの巨大惑星には、順行衛星だけではなく逆行衛星も多数存在する。

2.  自転の逆行
自転の順行あるいは逆行についても、地球と同じように自転軸の北側から見て反時計回りに自転する場合を順行、時計回りに自転する場合を逆行とするもの、公転方向と同じ方向に自転する場合を順行、反対方向に自転する場合を逆行とするものなどの考え方がある。
また、自転軸のどちら側を北とするかについても、太陽系の不変面(ほぼ黄道面と同じ面)に対して北側にあるほうを自転軸の北側とするものと、自転の向きが反時計回りになるような側を北側(正極側)とするものの2つに分けることができる。たとえば、国際天文学連合(IAU)では、惑星やその衛星には前者を、準惑星・小惑星やそれらの衛星、彗星については後者を用いている。前者には順行と逆行の両方が存在するが、後者には順行しか存在しないので区別する意味がなくなる。
太陽系の惑星のほとんどは順行自転しているが、金星は自転周期が243日という、ゆっくりとした逆行自転をしており、天王星は自転軸が公転軌道面に対してほぼ横倒しの状態で自転している。

3. 見かけの逆行
地球から見た惑星は、通常天球上をゆっくりと西から東に移動(順行)するが、時折その動きが止まり()、しばらく逆向きに動くと、ふたたび動きが止まって順行に戻る(図2)。この逆向きの動きを逆行と呼ぶ。逆行は、地球が外惑星を追い越す場合や内惑星に追い越される場合に起こる見かけの運動である(図3、4参照)。
なお、留は赤経で定義することになっているが、黄道座標系を用いる方が理解しやすいので、この図2~4はあえて後者で描いている。

2018年08月23日更新

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    逆行
    * 図1 公転の逆行(ハレー彗星)
    順行と逆行
    * 図2 見かけの順行・逆行(クレジット:国立天文台暦計算室)
    https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/CFC7C0B12FCEB1.html
    地球と火星
    * 図3 地球と火星の位置関係 [2018年](クレジット:国立天文台暦計算室)
    https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/CFC7C0B12FCEB1.html

    火星の逆行
    * 図4 地球から見た火星の位置を知るには、図3において地球の位置をそろえてやればよい(クレジット:国立天文台暦計算室)。
    https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/CFC7C0B12FCEB1.html