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原始惑星系円盤

高

よみ方

げんしわくせいけいえんばん

英 語

protoplanetary disk

説 明

星間雲のなかで密度が高く、水素が解離せず水素分子として存在している領域を分子雲と呼び、分子雲中でさらに密度の濃い部分を分子雲コアと呼ぶ。分子雲コアが自己重力により収縮することで星が生成される。その際により大きな角運動量を持ったガスは直接中心には到達できず、形成されつつある星の周りに円盤が形成される。これを原始惑星系円盤と呼び、この中で惑星が形成されたと考えられる。特に、太陽系を作るもととなった原始惑星系円盤のことを原始太陽系円盤または原始太陽系星雲と呼ぶ。SEEDSも参照。


アルマ望遠鏡が「視力2000」で撮影した、おうし座HL星を取り囲む円盤 / ALMA image of the protoplanetary disc around HL Tauri

https://youtu.be/p3hmp5b3__U

2022年03月08日更新

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    * 太陽系形成の標準シナリオ
    渡邊誠一郎「太陽系形成論の概観」、シリーズ現代の天文学第9巻、渡部・井田・佐々木編『太陽系と惑星』 6.1節 図6.1 (日本評論社)
    アルマ望遠鏡でとらえた、おうし座HL星の原始惑星系円盤。
    Credit:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)
    http://www.eso.org/public/images/eso1436a/
    アルマ望遠鏡が捉えた原始惑星系円盤の画像。 Disk Substructures at High Angular Resolution Project (DSHARP)の成果である。
    Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), S. Andrews et al.; N. Lira
    https://www.almaobservatory.org/en/images/almas-high-resolution-images-of-nearby-protoplanetary-disks/