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カプタイン

 

よみ方

かぷたいん

英 語

Kapteyn, Jacobus Cornelis

説 明

カプタイン(Jacobus Cornelius Kapteyn;1851- 1922)はオランダの天文学者。ユトレヒト郊外のバルネベルトで生まれ、ユトレヒト大学にて物理学で学位を取得した。その後、ライデン天文台に入所して本格的に天文学を学び、1878年にグローニンゲン大学の天文学教授になった。ギル(D. Gill)がケープ天文台で撮影した南天の天体写真を測定・整理し、1896年にケープ写真掃天星表を出版した。1897年にバーナード星に次いで固有運動の大きいカプタイン星を発見、1902年には初めて絶対等級の考え方を提唱している。また、固有運動の研究から、恒星はランダムな運動ではなく、2つの流れに分かれてほぼ反対方向に運動していることを見出した(二星流説、1904年)。これは後に、天の川銀河銀河系)が回転していることの最初の証拠となった(オールトを参照)。

カプタインは恒星集団としての宇宙(現在の銀河系=天の川銀河)の構造と星々の運動を明らかにするために、全天から200ほどの領域を選び、世界の天文台が協力して観測を行う選択天域計画を1906年に提唱した。これは、世界の40ほどの天文台を巻き込んだ最初の本格的な国際的共同研究となっていく。途中結果をまとめたカプタインの論文は1922年に発表され、レンズ状の天の川銀河の構造を明らかにした。その大きさは4万光年で、太陽は中心から2000光年と求められ、カプタイン宇宙と呼ばれた。このモデルでは星間吸収は無視されていたが、カプタインの死後その効果が大きいことが分かり、天の川銀河の大きさは約10万光年と訂正された。
1902年に王立天文学会ゴールドメダル、1913年にはブルースメダルを受賞している。

参考:https://phys-astro.sonoma.edu/brucemedalists/jacobus-kapteyn

2024年06月13日更新

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    カプタイン
    カプタインの肖像画(Jan Vethによる)
    http://en.wikipedia.org/wiki/Jacobus_Kapteyn
    カプタイン宇宙。円盤状の銀河系の断面図。恒星の密度の等しいところを楕円で近似している。縦のx軸が円盤に垂直な方向で、y軸が円盤の赤道面でそれに垂直な方向。ローマ数字はそれぞれの楕円を示し、ある単位で表した星の密度が右に示されている。太陽は中心からやや右上のSのついた円の位置にある。
    出典 岡村定矩『銀河系と銀河宇宙』(東京大学出版会)
    原図 Kapteyn, J. C., 1922, Astrophysical Journal, 55, 302