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金星

小

よみ方

きんせい

英 語

Venus

説 明

太陽系の惑星のなかで水星に次いで、太陽に近い惑星。金星は、内惑星であるため地球から観測すると、太陽から大きく離れることはない(最大離角は47度)。そのため、日の出前もしくは日没直後に観測され、それぞれ明けの明星宵の明星を呼ばれる。金星は、日中でも肉眼で確認できることがある。
金星の質量4.87x1024 kg、赤道半径6052 kmはそれぞれ地球の0.815倍、0.949倍であり、地球に近い大きさの天体である。密度は5240 kg m-3で、地球と同じく中心に金属質の中心核、周囲に岩石質のマントル、地殻がある。金星は厚い二酸化炭素の大気(表面で90気圧)がとりまいており、硫酸の雲が50-70 kmの高度に存在する。そのため表面の様子を外から観察することができない。金星は、周期243日で逆行自転をしている。この周期は地球の公転周期の2/3であり、最接近時には金星は同じ面を地球に向けている。金星大気の雲頂部の観測から、4日で金星を一周する強い風が吹いていることがわかり、スーパーローテーションと呼ばれている。固体の金星の自転からどのように大気が加速されるか、その機構は解明されていない。硫酸の雲は金星に入射した太陽光の8割近くを反射する。太陽放射のうち厚い大気を通過して固体表面に到達するのは数%である。しかし、大気量が多く二酸化炭素と雲の温室効果が働くため、大気底の温度は730 Kに達する。液体の水は存在できず、生命が存在できる環境ではない。なお、磁場は確認されていない。

大気を通す電波による合成開口レーダーの手法により表面の地形が明らかにされている。マゼラン探査機は表面の98%のマッピングを行った。解像度は120 mに達している。金星表面の60%は起伏の少ない溶岩平原で、24%は高地、16%は火山と山脈地帯に分類される。高地はテセラと呼ばれる断層と褶曲(しゅうきょく)が重なりあった複雑な変形履歴をもつ地域である。多様な火山地形が存在するなかで、地球よりも大きい数100 kmを越える火山が多数存在する。コロナと呼ばれる円環状の火山性の構造や、ノバと呼ばれる岩脈が放射状に広がった構造がある。地球と異なり金星では長い波長(大きなスケール)でも、重力の強弱と地形との間に強い相関関係が見られる。金星には地球と同様に内部のマントル対流が活発であるが、地球のアセノスフェア上部にあたる低粘性層がないために、長波長の対流パターンが表面に現れると考えられる。金星の地形と推測されるマントル対流のパターンは、プリュームテクトニクスで説明できる。

2023年04月18日更新

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    関連画像

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    金星の満ち欠け(国立天文台)
    https://www.nao.ac.jp/contents/astro/gallery/SolSys/Venus/venus_v.jpg
    マゼラン探査機による金星表面(NASA)  
    赤道域に広がる標高の高い地域は、西側(左側)が高地で、中央部から東側(右側)が火山地帯である。
    (JAXA)