天体
よみ方
てんたい
英 語
celestial object
説 明
宇宙にある「もの」を総称する言葉として一般社会では広く使われているが、学術用語ではないのではっきりとした定義はない。あえて言えば、「宇宙の背景(宇宙全体の平均)から浮き出して、ある形を持って見分けられるものの総称」ということになろう。英語ではcelestial objectあるいはcelestial body であるが、astronomical object あるいはastronomical body とも言う。
多くの場合天体は、自らの重力によってある大きさにまとまっている。固体であるか気体であるかなど物質としての存在形態(物質の三態と四態を参照)や、密度の高低も問わない。それに加えて、超新星残骸、双極分子流、超銀河団などのように重力によってまとまっていなくても天体と呼ばれるものがある。ただし、特定の形を持たずに星間空間に薄く広がる星間物質は通常は天体とは言わない。また超新星、宇宙ジェット、ガンマ線バーストなど、「もの」ではなく「現象」と考える方が良いものを天体に含めることもある。このように、天体という言葉を使うときに厳密さはあまり考えない。人工衛星や人工惑星、更には惑星探査機まで含む「人工天体」という言葉も使われている。
天体は恒星、星団、星雲(ガス星雲)、銀河など種類毎に総称が付けられることが多い。高密度天体、高エネルギー天体、突発天体、系外天体(銀河系を参照)などのように、種類が違っても共通の性質をもとに総称が付けられることもある。
太陽系内には、太陽、惑星、太陽系外縁天体、冥王星型天体、小惑星、衛星、彗星などの天体がある。一般社会で「天体ショー」などと言うときには、明らかに「現象」である流星を含むこともある。銀河系(天の川銀河)内に見られる天体は、恒星、星団、星雲(ガス星雲)などである。宇宙には、銀河、銀河群、銀河団、クェーサー、ブラックホールなどの諸天体がある。
2020年01月09日更新
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