ウラノメトリア
よみ方
うらのめとりあ
英 語
Uranometria
説 明
1603年にドイツのバイエル(J. Bayer, 1572-1625)によって出版された世界で初めての全天星図。バイエル星図と呼ばれることもある。掲載されている51枚の星座の絵の原図は銅板に刻まれたもの。51枚の星図は、それまで知られていた48星座(プトレマイオス(C. Ptolemaeus)がアルマゲストに記していたもの)に1枚ずつをあて、49番目にはプトレマイオス時代には知られていなかった天の南極周辺の12星座をまとめ、最後の2枚に北半球と南半球の天球図を描いたものからなる。
南の12星座は、オランダの地図製作者プランシウス(P. Plancius,1552-1622)が1598年に制作した星図によって初めて紹介された。この星図は彼に依頼されたカイザー(P. Keyser, 1540-1596)とデ・ハウトマン(F. de Houtman, 1571-1627)が、オランダの東インド諸島への探検艦隊の2度の航海で観測した記録に基づくものであった(カイザーは1度目の航海途中で死亡した)。このためこれらは「カイザーとハウトマンの12星座」とよばれることもある。ウラノメトリア以降はバイエル星座とも呼ばれている。
ウラノメトリアでは、各星座の中の明るい星に、ギリシャ文字の小文字$\alpha, \beta, \gamma, \cdots$ あるいはラテン文字アルファベット(A, b, c,…)とその後ろに星座名を3文字にした略号をつけて表す識別符号をつけた。この識別符号は、後にこれに習って天文学者らによって加えられたり、修正されたりしたものも含めてバイエル符号と呼ばれ、今日でも星の名称として広く用いられている。
2025年02月08日更新
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