銀河
よみ方
ぎんが
英 語
galaxy
説 明
多数の星、ガス、ダスト(塵)、およびダークマターなどで構成された天体。自己重力系である。1000億個以上の星を含む明るいものから、球状星団よりも暗いものまで、明るさと質量には何桁もの幅がある。銀河と球状星団の違いは、ダークマターを含むかどうかにある。銀河の質量の大部分はダークマターだが、球状星団にはダークマターは見つかっていない。一般にUBV測光のBバンドでの絶対等級が-18等程度を境にして、それより明るいものは巨大銀河、暗いものは矮小銀河と呼ばれる。
銀河は、見かけの形状や明るさに基づいて多くの形態に分類される(形態分類を参照)。広く用いられているハッブル分類という形態分類法では、巨大銀河は、楕円銀河、レンズ状銀河、渦巻銀河、不規則銀河、特異銀河に分類される。レンズ状銀河は研究者の間ではS0銀河(S0はエスゼロと発音)と呼ばれることが多い。銀河円盤(ディスク)を持つ渦巻銀河とレンズ状銀河を合わせて円盤銀河(disk galaxy)と呼ぶことがある。
形態分類とは別に、円盤銀河では、銀河を見る方向により、銀河円盤をほぼ真横から(円盤の垂線に垂直で円盤が最も薄く見える方向から)見る場合をエッジオン(edge-on:横向き)、それにほぼ垂直で銀河円盤を正面から見る場合をフェイスオン(face-on:正面向き)と呼ぶ。このように見えている銀河をそれぞれエッジオン銀河、フェイスオン銀河と呼ぶことがある。ただし、定量的な定義ではないのでことに注意する。
天の川銀河(銀河系)は(棒)渦巻銀河である。楕円銀河、レンズ状銀河、および渦巻銀河のバルジは年齢の古い赤っぽい星からなり、現在星生成はほとんど起きていない。一方、渦巻銀河のディスクや不規則銀河では活発な星生成活動が見られ、色が青い。レンズ状銀河の円盤では星生成活動はほとんど見られない。矮小銀河の中で著しく表面輝度の低い銀河は低表面輝度銀河と呼ばれる。
銀河は宇宙空間に、銀河群、銀河団、宇宙の大規模構造のようなさまざまな規模の集団となって分布している。中心部の狭い領域から強い電磁波を出している銀河を活動銀河という。多くの銀河の中心部には超大質量ブラックホールがあると考えられており、銀河の活動性との関連が議論されている。銀河の数密度を明るさの関数として表したものを(銀河の)光度関数という。130億光年より遠方(宇宙年齢にして8億歳以下)の若い時代の宇宙にも銀河が見つかっていることから、銀河の年齢は非常に古いことが示唆される。銀河の進化は、階層的集団化モデルを基礎とした銀河進化モデルで記述される。
なお、日常語としては銀河を天の川と同義で用いることもあるが、天文学では両者は明確に区別されており、銀河座標系など一部の複合語を除き、銀河という単語で天の川を意味することはない。
2022年01月12日更新
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