特異銀河
よみ方
とくいぎんが
英 語
peculiar galaxy
説 明
形態分類の体系に合わない形態を持つ銀河の総称。伝統的には目視検査により形態分類を行った研究者が、分類体系に当てはまらないと判定した銀河を特異銀河とした。したがって、特異銀河の明確な定義は存在しないし、準拠する形態分類によっても判断が異なる場合もある。アープ(H. Arp;1927-2013)が作成した『アープアトラス』(Atlas of Peculiar Galaxies)には338個の特異銀河の写真が収められている。反対方向に延びる2本の細長い尾や、リング構造、弧状のシェルなどが特異銀河に特徴的な構造である。これらの構造は、銀河同士の衝突時の重力的相互作用(潮汐力など)の結果、銀河の形が歪められたり壊されたりすることによって生ずると考えられており、数値シミュレーションによってもよく再現されている。
多数の銀河に対する銀河画像から抽出した定量的なパラメータで、従来の形態分類に相当する体系をつくるさまざまな研究がおこなわれている。定量パラメータの空間では「正常な銀河(分類形態によく合致する銀河)」と「特異銀河」は連続的につながっており、両者の線引きは主観的なものにならざるを得ないとする研究もある。
2025年01月12日更新
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