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散開星団

高

よみ方

さんかいせいだん

英 語

open cluster

説 明

銀河内で、数十から数百個の星が比較的ゆるく集合した星団。密度は球状星団ほど高くない。銀河系天の川銀河)内の散開星団は、古くは銀河星団(Galactic cluster)と呼ばれたこともあるが、この名前は最近ではあまり用いられない。銀河円盤渦巻腕中にあり、種族Ⅰの星からなる。生まれて間もない星の集団であるので、青白い高温のO型星, B型星が目立つ(OBアソシエーションも参照)。銀河系の散開星団の中には、近傍の暗黒星雲、反射星雲、HⅡ領域などのガス星雲との位置関係から、母体となった分子雲との関連がよくわかるものもある。

一つの銀河に属する散開星団の個数、分布、年令などは、銀河の星形成史や星形成過程に関する貴重な情報を含んでいるため、近年は銀河系以外の近距離銀河の散開星団の研究も盛んである。

2023年04月17日更新

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    関連画像

    散開星団の代表例であるプレアデス星団(東京大学木曽観測所の105 cmシュミット望遠鏡で撮影)
    散開星団プレアデスの色-等級図(左)。右の球状星団M3のものと比べると種族IとIIの違いがわかる。