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オールト

 

よみ方

おーると

英 語

Oort, Jan Hendrik

説 明

オールト(Jan Hendrik Oort;1900-92)はオランダの天文学者。フリースランド州、フラネカー生れ。グローニンゲンでカプタイン(J.C. Kapteyn)のもとで大学教育を受け、高速度星の研究で学位を取得した。カプタインの発見した2大星流を天の川銀河銀河系)の回転で解釈し、1927年、リンドブラッド(B. Lindblad)の銀河回転仮説を観測的に確認した。その後、差動回転の証拠を発見し、銀河系構造解明のための定式化を行なった。第二次世界大戦中に電波観測を開始し、ファンデフルストらと水素原子の発する波長21cmの電波をとらえてファンデ天の川銀河の水素ガス分布を示し、渦巻構造、銀河中心、ガス雲の運動などを明らかにした。また、太陽が天の川銀河の中心から3万光年ほど離れたところにあり、その軌道を一周するのに2億2,500万年かかると算出し、銀河系の質量は太陽の1000億個分にほぼ等しいことも明らかにしている。1950年、現在オールトの雲として知られている彗星の起源説を提案し、その後、かに星雲からの電波が偏光していることを見出し、シンクロトロン放射であることを確認した。
1924年からライデン大学で働いており、1935年にライデン大学教授、1945年ライデン大学天文台長などを歴任、92歳で亡くなる直前までライデン大学に所属していた。1958年から1961年の間、国際天文学連合(IAU)の会長を務めるなど、ヨーロッパ天文学界のリーダーであり、ヨーロッパ南天天文台をはじめとする国際機関の設立に大きな役割を果たした。
王立天文学会ゴールドメダル(1946年)、日本の京都賞(1987年)などの受賞歴がある。

 

参考:https://phys-astro.sonoma.edu/brucemedalists/jan-oort

https://www.esa.int/About_Us/ESA_history/Jan_Hendrik_Oort_Comet_pioneer

2024年02月02日更新

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    晩年のオールト
    (http://www.esa.int/About_Us/Welcome_to_ESA/ESA_history/Jan_Hendrik_Oort_Comet_pioneer)