天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3000語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。

New

絶対等級

高

よみ方

ぜったいとうきゅう

英 語

absolute magnitude

説 明

天体を10 パーセク(10 pc=32.6光年)の距離から見た場合の見かけの等級。天体の真の明るさを表し、100倍明るくなる毎に等級は5等ずつ減っていく(1等の違いは約2.5倍の比に相当)。たとえば、Vバンド(0.55 μm)での太陽の絶対等級は+4.82等、デネブの絶対等級は-7.2等であるため、デネブのVバンドでの明るさは太陽の6万倍程度であることがわかる。
見かけの等級をm、絶対等級をM、天体までの距離をr [pc]とすると、星間吸収を無視すれば、
m-M=5\log r - 5
という関係がある。m-M距離指数と呼ぶ。Mが既知である天体(標準光源)に対して、mを観測から求めればその天体までの距離rが分かる。
星団のHR図の縦軸を見かけの等級から絶対等級に変換するには距離指数(と星間吸収)を決定する必要がある。

2021年01月20日更新

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    関連画像