電子縮退
よみ方
でんししゅくたい
英 語
electron degeneracy
説 明
高密度の電離ガスにおいて、電子の運動エネルギー分布が、許容される状態の低い方からすべて埋まった分布となっていること。量子力学の不確定性原理により、ある大きさのエネルギー(運動量)以下の運動の状態の数は単位体積あたり有限で、パウリの排他原理によりフェルミ粒子である電子は、2つ以上の粒子が同じ場所で同じ運動状態をもつことができない。赤色巨星中心核や白色矮星では電子が縮退した状態になり、これにより星の重力を支える。縮退したガスの圧力は温度によらないため、高温になって核融合反応が起こると暴走し、赤色巨星中心核でのヘリウムフラッシュや、チャンドラセカール限界質量を超えた白色矮星での炭素フラッシュを引き起こす。
2018年03月26日更新