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差分撮像法

 

よみ方

さぶんさつぞうほう

英 語

differential imaging

説 明

太陽系外惑星原始惑星系円盤の直接観測における観測・解析手法のひとつ。単に差分撮像ということもある。大別して、分光差分撮像法、偏光差分撮像法、角度差分撮像法がある。
分光差分撮像法は、天体からの光をプリズムなどの分散素子分散、分岐させ、それぞれ異なる波長のフィルターを透過した光を検出器で結像させる。その結果、検出器には「同時」に取得された波長の異なる天体画像が写るため、大気乱れの時間変化の影響を受けずに画像の差し引きが可能となる。例えば、低温の惑星にのみメタンの吸収がある場合、画像の差し引きで中心の恒星の光は消え、惑星の光は残る。つまり、惑星検出とその大気中のメタン分子の検出が同時に実現できることになる。
偏光差分撮像法は、天体からの光を偏光プリズム(ウォラストンプリズムなど)で分散、分岐させ、それぞれ異なる方向の偏光(正常光と異常光)を検出器で結像させる。その結果、検出器には「同時」に取得された2偏光の天体画像が写るため、大気乱れの時間変化の影響を受けずに画像の差し引きが可能となる。例えば、原始惑星系円盤では、円盤からの光は中心星の光を散乱して偏光しているため、画像の差し引きで恒星の光は消え、惑星の光は残る。つまり、円盤検出とその円盤の偏光観測が同時に実現できることになる。
角度差分撮像法は、上記の2方法とは少し異なる手法であり、直接観測におけるノイズを低減する手法として広く用いられている。通常の撮像観測では、検出器上で天球上の位置が変わらないように観測するが、この手法では検出器面での面が固定されるように画像を取得する。そうすると、光学系の誤差に由来する時間変化しないノイズと大気揺らぎによる時間変化するノイズが区別でき、前者を抑制することができる。

2022年01月23日更新

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