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測光観測

高

よみ方

そっこうかんそく

英 語

photometric observation/ photometry

説 明

星(一般には星に限らない天体)の明るさを測って、その星の等級を決定するための観測。
星の明るさ(等級)を精度良く測定するための測光観測は1940年代から、光電子増倍管など画像が撮影できない1チャンネルの電子的光検出器(光電測光器)を用いて行われていた。これは光電測光と呼ばれた。目標の星と明るさが既知の測光標準星を光電測光器で交互に観測して、出力の比から目標の星の明るさを決定した。その際は、天頂距離に依存するエアマス(空気関数)の違いによる目標の星と測光標準星の大気減光量の違いを補正する必要がある。
これは大変手間のかかる観測だが、写真観測が普及すると、写真乾板に写っている(同じ視野内の)多数の星の明るさを一度に測定する技術や装置が開発されてきた。写真乾板に写っている多数の星の明るさの比は、星像の黒みから特性曲線天体写真測光を参照)を介して推定できる。しかし、写真の露光時間を変えれば同じ星の黒みが全く違うことから分かるように、写真の黒みからは明るさの絶対値を決められない。運良く測光標準星が同じ視野内にあれば、その黒みと明るさの絶対値の対応がつけられる。測光標準星がない場合には、その視野に写っている最低1個(通常は複数)の星の明るさを光電測光で測定して、星像の黒みと明るさの絶対値の対応をつける。この方法は写真測光と呼ばれた。天体写真測光の項目に述べたように、写真測光の精度は光電測光より悪かったが、多数の星の明るさを1度の撮像観測から決められるので広く利用された。
現在用いられているCCDなど2次元半導体光検出器では、出力が星の明るさに比例しているので、撮像データを計算機処理して同じ視野内の星の明るさの比を直接知ることができる。出力と星の明るさ(等級)の対応をつけるには測光標準星が必要なことは写真測光と同じだが、最近は測光標準星の数が莫大に増えているので、そこそこの視野なら測光標準星が入っている確率が高い。また、CCDなどは写真乾板と違って1回限りの使い捨て検出器ではないので、望遠鏡とカメラシステムの綿密な校正(calibration)を行って、視野内に測光標準星がない場合でも、(精度は少し劣るが)出力を直接星の等級に換算する場合もある。
測光観測では通常いくつかの広帯域フィルターを用いてそれぞれのバンドで観測を行い、明るさと色(スペクトルエネルギー分布を反映する)の情報から天体の大まかな性質を調べることができる。また多くのバンドの測光データから銀河の(宇宙論的)赤方偏移を推定する測光赤方偏移という手法もある。

2022年07月15日更新

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