スペイン領カナリア諸島のラパルマ島山頂地域(2267 m)に建設された有効口径10.4 mの望遠鏡。スペイン語の名称(Gran Telescopio Canarias)からGTCあるいはGranTeCanと呼ばれることもある。ハワイのケック望遠鏡の設計をもとにしている。スペイン、メキシコ国立大学、フロリダ大学の国際協力で建設され、2009年7月に、スペイン国王夫妻らが参列して完成式典を開催した。
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GRAN TELESCOPIO CANARIAS VERSUS IAC LA PALMA TIMELAPSE
カナリー大型望遠鏡とラ・パルマ島の望遠鏡群のビデオ
https://youtu.be/MopKAf1Ydgo
大型双眼望遠鏡LBT(Large Binocular Telescpe)は、アリゾナ、イタリア、ドイツ、オハイオなどの合計18の大学などの国際協力事業で、アリゾナ州グラハム山(3267m)に建設、2005年にファーストライトを実現した。8.4m主鏡2枚を1台の望遠鏡架台に載せて、両者からの光を集光して、11.8m相当の望遠鏡とし、さらに干渉計とすることにより口径22.8m相当の解像力を実現しようという望遠鏡。フィゾー干渉法や補償光学用の大型可変副鏡など、野心的開発に挑んでいる。
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光線の軌跡を追いかけて光学系を論じる幾何光学に対し、マクスウェル方程式を用いて、光の波動としての性質を考慮し、光の干渉、回折、偏光、散乱を取り扱う手法を指す。物理光学ともいう。
負の宇宙定数を持ったアインシュタイン方程式の真空解。ド・ジッター宇宙も参照。
KAGRA大型低温重力波望遠鏡を参照。
1平方キロメートル電波干渉計を参照。
Square Kilometre Array (SKA) Official Animation
https://youtu.be/8BBoDw2qVD0
スペインのロケデロスムチャーチョス天文台にある口径4.2 mの望遠鏡。1987年に完成した。建設計画はグリニッジ王立天文台が中心となり、望遠鏡本体の製作はイギリスのグラブ-パーソンズ社が行った。完成時には、世界第3位の口径であり、可視光望遠鏡としては、経緯台方式の駆動を成功させた実質上最初の大型望遠鏡であった(1976年にロシアで建造された口径6mの望遠鏡も経緯台方式を採用したが、所期の性能を実現できなかった)。現在WHTは、同天文台にある2.5 mのアイザックニュートン望遠鏡(INT)、1 mのヤコブス・カプタイン望遠鏡(JKT)とともに、アイザックニュートン望遠鏡群として、イギリス、オランダ、スペインの共同組織が運用している。
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2組の異なる色指数を縦軸と横軸にして表した図。右図は色指数 U-B と色指数 B-V を用いた標準的な例、どちらの色指数とも数値が大きいほど「赤い」と表現する。スペクトルエネルギー分布のおおまかな形状を判断する際に用いられる。主系列星などの星は二色図上では特定の曲線にほぼ沿って分布するため、観測された天体の種類の判断や星間減光量などを推定することが可能である。また、クェーサーやライマンブレイク銀河などの特異なスペクトルエネルギー分布の形状を持つ天体を探す際にも利用される。
南米チリのアンデス山脈の中、標高5000mのチャナントール高原に建設された、周波数80-950 GHz帯のミリ波サブミリ波領域で稼働する電波干渉計。口径12 mと7 mのアンテナ計66台を最大基線長16 kmで展開し、大気による波面ゆらぎを補正する技術を導入することにより、この周波数帯で0.01秒角の分解能を実現する。日本・台湾・韓国の東アジア、アメリカとカナダからなる北米、ヨーロッパ南天天文台を構成する16か国と建設地のチリ共和国の国際協力で2002年より建設が進められ、2011年より部分運用を開始し、2013年より本格的な運用を開始した。従来のミリ波干渉計を圧倒的に凌ぐ角分解能と集光力で、遠方銀河の星生成活動、太陽系外惑星の形成過程、有機分子の探査などの分野で画期的な成果を挙げている。
アルマ望遠鏡の運用は、日本の自然科学研究機構と、アメリカ国立科学財団、ヨーロッパ南天天文台が共同して行っている。アルマ望遠鏡の現地での運用は国際組織である合同アルマ観測所が統括し、日米欧にはそれぞれ地域支援センターが設置されて各地域の天文学者に対する支援業務を行っている。
開口合成望遠鏡も参照。
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アルマ望遠鏡運用10周年 宇宙の歴史をさかのぼる
https://www.youtube.com/embed/l4Eb0AjIbHQ?si=Lgg_H-Aqx5VBXWC0"
アメリカのSETI協会とカリフォルニア大学バークレー校の電波天文学研究室が協力してカリフォルニア州北部のハットクリーク電波天文台に建設中の電波干渉計である。口径6.1mのアンテナを最終的には350台配置する予定で、ポール・G・アレン家財団からの寄付により建設が始まり、第一期計画では42台のアンテナを建設して2007年から観測を開始している。観測周波数は0.5-11.2 GHzである。天文学的な観測とSETIの研究を行うことを目的としている。
ホームページ:https://www.seti.org/ata
輝線スペクトルと吸収線スペクトルを合わせた総称。スペクトルも参照。
国立天文台の観測所の1つで、全世界の天文学者から公募される観測提案に基づいた電波天文観測が行われている。所在地は長野県南佐久郡南牧村の野辺山高原で、八ヶ岳のふもとの標高1,350 mの野辺山高原にある。冬は-20 ℃以下となる寒冷地で水蒸気が比較的少ないため大気による宇宙からの電波の吸収が少なく、日本国内ではミリ波電波の観測に適しているとされる。1960年代から望遠鏡計画が構想され、1978年に正式に観測所が設置され、1982年3月に野辺山で開所した。現在の主力観測装置は45m 電波望遠鏡。45m 電波望遠鏡はミリ波単一鏡としては世界最大級である。NROと略称されることも多い。
ホームページ:https://www.nro.nao.ac.jp/
宇宙への情熱を継承する ー野辺山宇宙電波観測所の歩みー
提供:NAOJ https://youtu.be/Pie892iLMPI
眼視ではなく専ら写真撮影を目的とする天体望遠鏡。天体の位置測定を主目的とするものは長焦点であるため視野はさほど広くない。サーベイ観測を目的とするものは、観測効率の観点から、できるだけ口径は大きく視野は広い方がよい。1930年シュミットが提案したシュミット望遠鏡はその代表例であり、広い視野を撮影できるので、小惑星、彗星、流星などの太陽系天体や、変光星、新星などの観測に使われる。
基準となる波長での星間減光と比べて特定の波長における相対的な星間減光を表す言葉。通常は、波長
ある一定の現象の統計的性質を調べる際に、サンプルの選択方法あるいは観測や測定の方法に何らかの問題があることによって、真の統計量から偏りが生じることを指す。調査対象とする量に対して選択効果がないと考えられるサンプルは完全サンプルと呼ばれる。マルムキストバイアスなどの例がある。
国立天文台が長野県南佐久郡南牧村に有する太陽電波観測用の観測所であり、1969年に開所され、2015年に閉鎖された。八ヶ岳のふもとの標高1,350 mの野辺山高原にある。寒冷地で水蒸気が比較的少ないため電波の大気吸収が少なく、また周囲が山に囲まれているため雑音を低減しやすい。主な電波望遠鏡としては当初は観測周波数160 MHzの干渉計を持ち、後に17 GHz干渉計が設置された。1992年から電波ヘリオグラフ(口径80cmアンテナ84台で構成)が観測を開始し、観測周波数は17 GHz(1992年から)と34 GHz(1995年から)である。また1~80 GHzの7周波数帯で太陽全体の電波強度と偏波を測定する太陽電波強度偏波計を有した。観測所閉鎖後は、名古屋大学宇宙地球環境研究所を中心とした野辺山電波ヘリオグラフ運用延長国際コンソーシアムが電波ヘリオグラフを、野辺山宇宙電波観測所が強度偏波計を運用している。
ホームページ:https://www.nro.nao.ac.jp/
アメリカニューメキシコ州のサンスポットにある標高2800 mの天文台。シカゴ大学、プリンストン大学、プリンストン高等研究所などアメリカの7大学によって1984年に設立された天体物理学研究連合(Astrophysical Reserach Consortium: ARC)が建設した3.5 m望遠鏡、スローンデジタルスカイサーベイ(SDSS)のための2.5 m専用望遠鏡、ニューメキシコ州立大学の1 m望遠鏡などがある。約2 kmほど離れたすぐ隣に、アメリカ国立太陽天文台(NSO)のサクラメント・ピーク観測所がある。
ホームページ http://www.apo.nmsu.edu/
野辺山宇宙電波観測所と野辺山太陽電波観測所を合わせた俗称。
野辺山観測所紹介動画(日本語版)
https://youtu.be/iTcNzA4FP-E
光は進むのにかかる時間が最小になる経路を通る、という幾何光学の原理を指す。重力場で起きる重力レンズ現象にこの原理を適用すると、光源から観測者までに光が届く到達時間が最小となる極値をとる位置にレンズイメージが現れる。
イギリスの現代天文学復活の旗手として、1967年に、英国南部のハーストモンソー城にあったグリニッジ王立天文台で完成した口径2.5mの望遠鏡。その後1979年に主鏡の更新を含む大改造の後、スペイン領カナリア諸島のロケデロスムチャーチョス天文台に移設されて今日に至っている。INTはポーラーディスクにフォークを載せた珍しい赤道儀の形式である。改造前には、主焦点での写真撮影のために観測者が入る主焦点ケージを持っていた。
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