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MACHO

 

よみ方

まっちょ

英 語

Massive Compact Halo Object (MACHO)

説 明

質量を持つコンパクトなハロー天体の英語の頭文字から作ったことば。「まちょー」と発音することもある。可視光赤外線では直接検出できない太陽程度の質量のコンパクトな天体が天の川銀河銀河系)のハローに多数あれば、天の川銀河でのミッシングマス問題が解決される可能性があった。冷え切ってしまった褐色矮星白色矮星恒星とは独立に存在する巨大な惑星、小質量ブラックホールなどがその候補として想定されていた。直接検出はできなくとも重力レンズなどを用いて検出することが可能なため、重力マイクロレンズを探す方法により探索が行われMACHOの存在が確認されたが、天の川銀河のミッシングマスを説明するには推定存在量が不足することもわかった。

2022年08月17日更新

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    図1 重力レンズ効果で変光したと考えられるMACHO候補天体の最初の発見例。大マゼラン雲の180万個の星の明るさを1年間モニターした結果発見されたもの。左上から右下へ12のフレームが時間の順に並べられている。各フレームで白矢印で示されている星が変光していることがわかる。
    (Alcock et al. 1993, Nature, 365, 621)
    図2 図1の星の光度曲線。横軸は1992年1月2日からの経過時間(単位は日)。縦軸は上のパネルは青色のバンドの測光値、中のパネルは赤色のバンドの測光値、下は両者の比。両者の比がほぼ完全に一定であるので、変光の様子が色によらず、通常の変光星ではないことの証拠と考えられた。
    (Alcock et al. 1993, Nature, 365, 621)