ホームステイク実験
よみ方
ほーむすてーくじっけん
英 語
Homestake experiment
説 明
デービス(R. Davis)らがアメリカのホームステイク(Homestake)鉱山(ペンシルバニア州)の地下において1960年代に開始した実験で、世界で初めての太陽ニュートリノ観測実験である。
この実験は、615 tのテトラクロロエチレン()を用い、ニュートリノと
の反応により生まれる
を約80日ごとに回収し、
の崩壊数を低バックグラウンド比例計数管によって計測した。こうした実験手法は放射化学法と呼ばれ、あるエネルギー閾値以上のニュートリノの積分量を測定することになる。ニュートリノと
との反応のエネルギー閾値は0.814 MeVであり、
の生成率に寄与するのは主として太陽のppチェインのうち不安定な
が崩壊するときに放出される
ニュートリノである(約76%が
ニュートリノ、15%が
が電子を捕獲して
とニュートリノになる反応で生成される
ニュートリノ、他は pep三体反応によるものと CNOニュートリノなど)。ホームステイク実験が観測した
の生成率は約0.5個/日であり、標準太陽モデルの予想値約1.4個/日に比べて1/3しかなく、これを「太陽ニュートリノ問題」として提起した。ニュートリノ天文学も参照。
2019年05月11日更新
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