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銀河衝撃波

 

よみ方

ぎんがしょうげきは

英 語

galactic shock

説 明

銀河円盤内の非軸対称重力ポテンシャルによって星間ガスに生じる衝撃波のこと。特に、渦巻腕や棒状バルジに関連した衝撃波を指すことが多い。銀河円盤内に密度波理論で生じるような恒星の密度波が生じると、それによるポテンシャルで星間ガスの運動も影響を受ける。その強さは典型的には星間ガスの音速や星間ガス雲の速度分散を上回るため、不連続があるとそれに応じて衝撃波が生じる。銀河衝撃波によって星間ガスが圧縮されると、そこで星形成が盛んになり、その指標となるような天体である、高密度の星間分子雲電離水素領域、早期型主系列星などが集中するはずである。多数の銀河の渦巻腕が、そのような特徴を示すことから、実際にこうした現象が発生しているとして、1966年に藤本光昭が提唱したのが銀河衝撃波モデルである。

2018年09月16日更新

関連画像

*渦巻腕に伴う銀河衝撃波とそれによって生じる渦巻腕の構造。この図は天の川銀河の場合として書かれているが、他の渦巻銀河でも同様の機構が働いていると考えられる。
土佐 誠「銀河衝撃波理論」、シリーズ現代の天文学第5巻、祖父江・有本・家編『銀河II』第2版
9.3節 図9.15 (日本評論社)

*銀河中心を巡る円軌道に沿った各物理量の変化。ガスは左から右に流れている。下から重力ポテンシャル、星間ガス速度の円周方向成分、星間ガス速度の半径方向成分、面密度の順に示してある。縦軸はいずれも相対値。重力ポテンシャルの谷の直前に衝撃波が発生し、そのために面密度が急増している。
土佐 誠「銀河衝撃波理論」、シリーズ現代の天文学第5巻、祖父江・有本・家編『銀河II』第2版
9.3節 図9.14 (日本評論社)