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SEEDS

 

よみ方

しーず

英 語

SEEDS

説 明

すばる望遠鏡に搭載された高コントラストカメラHiCIAOと補償光学系AO188を用いた直接撮像法による太陽系外惑星および星周円盤の探査プロジェクトのこと。Strategic Explorations of Exoplanets and Disks with the Subaru Telescopeの略語で、シーズと呼ぶ。従来の太陽系外惑星の探査は、主星と惑星を分離して撮像しない間接法が主たる方法であった。一方、SEEDSでは直接撮像観測により巨大系外惑星や円盤を探査した。すばる望遠鏡第1回戦略枠プロジェクトとして2009ー2015年の期間に120夜の集中サーベイ観測を完了した。当時までの同種のサーベイの中でも最も野心的な観測である。
SEEDSでは、とりわけ年齢10億年未満の太陽型恒星とそれより重い恒星の探査に集中した。さらに、遠方惑星の形成原因となりうる円盤微細構造を描くために、円盤を伴うような非常に若い恒星も観測対象とした。近傍星(NS)、ムービンググループ(MG)、残骸円盤(DD)、星形成領域(YSO)、散開星団(OC)などのカテゴリに分かれており、それぞれのカテゴリで約100個の天体がリストされ、合計約500天体の惑星・円盤探査を行った。
SEEDSプロジェクトは、日本主導のプロジェクトであるが、プリンストン大学やマックスプランク天文学研究所など1/3は海外メンバーであり、広範な国際協力の下に推進された。メンバーは最大時には120名に達した。
SEEDSは4つの巨大惑星あるいはその候補の直接撮像に成功した(GJ504b、アンドロメダ座カッパ星b、GJ758b、HD100546b)。巨大惑星の統計について、10ー100 auに5ー70木星質量の天体がある確率は約2%と推定された。これ以外にも、プレアデス星団における褐色矮星の撮像、逆行惑星の原因となる伴星の直接撮像による発見、ドップラー法の長期トレンドの原因となる伴星の発見など数多くの結果が得られた。
さらに、30個程度の円盤の詳細構造を0.1秒角以下の高解像度で解明した。とりわけ、太陽系サイズの渦巻腕を伴う原始惑星系円盤を複数発見したこと(SAO206462、MWC758など)や、ギャップ構造を持つ多数の円盤を最初に撮像したこと(LkCa15、PDS70など)、残骸円盤の詳細構造を解明したこと(HR4796Aなど)は高く評価されている。

 

2022年01月23日更新

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    関連画像

    SEEDSで発見された太陽型恒星GJ504のまわりの低質量惑星GJ504b の赤外線カラー合成画像。コロナグラフにより中心の明るい主星からの光の影響は抑制されている。右はノイズに対する信号強度を画素ごとに表わしたもので、惑星検出が十分に有意であることを示す。(クレジット:国立天文台)
    https://subarutelescope.org/jp/results/2013/08/04/876.html
    SEEDSプロジェクトで撮影された、若い恒星のまわりの星周円盤の画像ギャラリー。観測波長は赤外線。主星からの光が円盤の表面で反射した光の成分のみを取り出している。円盤中に明らかな空隙構造や渦巻腕構造があることがわかる。 (クレジット:国立天文台)
    https://subarutelescope.org/jp/results/2013/08/04/876.html