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スケーリング則(銀河の)

 

よみ方

すけーりんぐそく(ぎんがの)

英 語

scaling law

説 明

光度、表面輝度、内部運動速度など銀河全体を表す物理量の間に見られる相関関係。たとえば2変数の場合はy \propto x^nnは定数)という形をとる。楕円銀河のスケーリング則には、3つの物理量の間の極めて強い相関である基本平面や、それを2次元に射影したフェイバー-ジャクソン関係などがある。渦巻銀河ではタリー-フィッシャー関係が最も有名である。楕円銀河と渦巻銀河に共通して成り立つスケーリング則はない。分散の小さいスケーリング則は、距離指標関係式として銀河の距離の推定に用いられる。スケーリング則はビリアル定理が物理的基礎となっているが、ビリアル定理で許される物理空間よりもずっと狭い領域にしか現実の銀河は存在しない。スケーリング則をいかにして再現するかは銀河進化論の重要な課題である。

2021年02月19日更新

関連画像

* 銀河のスケーリング則。左は絶対等級と回転速度の関係(タリー-フィッシャー関係)。右は半径と回転速度の関係。Han 1992, ApJS, 81, 35のデータより作成。
幸田仁「スケーリング則」、シリーズ現代の天文学第4巻、谷口・岡村・祖父江編『銀河I』第2版 2.3節 図2.14(日本評論社)
楕円銀河における星の内部運動の速度分散(縦軸)と銀河の絶対等級(横軸)との関係。(Faber & Jackson, 1976, ApJ, 204, 668より引用)