天文学辞典 | 天文、宇宙、天体に関する用語を3000語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。

New

重力場

 

よみ方

じゅうりょくば

英 語

gravitational field

説 明

重力の及ぶ空間の各点で指定される重力を表す物理量のこと。重力場があることでその点での重力が定まる。
一般に「場」とは、空間あるいは時空の各点で値が指定される物理量のことを言う。その物理量が値だけで指定される場合にはスカラー場、大きさと方向を持つベクトルで指定される場合にはベクトル場、それらの一般化であるテンソルで指定される場合にはテンソル場という。例えば、ニュートン重力の重力場は重力ポテンシャルというスカラー場で表すことができる。
ニュートン重力(万有引力(重力)の法則)においては、重力は質点間に働く力と説明されていたが、今では、各質点が時空の各点にベクトル場、またはそのポテンシャルであるスカラー場(重力ポテンシャル)を作り、その場(重力場)が他の質点に作用して重力を及ぼす、と理解されている。この解釈により、離れた場所における重力も重力場との近接作用と見なすことができる。アインシュタインの重力理論である一般相対性理論では、場の働きがより本質的になり、重力場はクリストッフェル記号、またはメトリックテンソルによって表される(測地線参照)。メトリックテンソルは、ニュートン重力における重力ポテンシャルに対応するが、10個の成分を持ち、曲がった時空の中の距離を与えることで、4次元的に曲がった時空の幾何学を記述する。また、クリストッフェル記号がゼロになる座標系(局所慣性系)は常に存在するので、真の重力場はそれを微分したリーマンテンソルによって特徴づけられる。これは重力が潮汐力であることによる。

2021年05月12日更新

関連画像