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パーカー

 

よみ方

ぱーかー

英 語

Parker, Eugene Newman

説 明

ユージン・パーカー(Eugene Newman Parker;1927-2022)はアメリカの理論宇宙物理学者。カリフォルニア工科大学で1951年に学位を取得したあと、ユタ大学を経て1955年以後はシカゴ大学で研究した。太陽・太陽圏・宇宙プラズマ物理学の数多くの分野で理論的基礎を形作った。京都賞(2003年)、クラフォード賞(2020年)などを多数受賞。主要業績は、輻射冷却不安定による低温ガス雲形成理論(1953年、フィールドの輻射冷却熱不安定へとつながる)、太陽内部からの磁束浮上と黒点形成理論(1955年年)、ダイナモ機構の基礎理論(1955年、α効果)、太陽フレアに関連した磁気リコネクション基礎理論(1957、1963年、スウィート・パーカーモデル)、太陽風の理論的予言(1958年、パーカー風、惑星間空間磁場構造のパーカースパイラル)、太陽圏宇宙線輸送理論(1965年)、星間ガス中での磁気浮力不安定(1966年、パーカー不安定)、銀河磁場観測に基づく磁気単極子存在量上限値の制限(1970年)、太陽コロナ加熱ナノフレア仮説の提唱(1988年)、などである。2018年打上げのNASA太陽圏宇宙探査機は、彼の業績を記念してパーカー太陽プローブ(Parker Solar Probe)と名付けられた。

 

科学衛星「ひので」プロジェクトの追悼ページ
https://hinode.nao.ac.jp/news/topics/obituary-DrParker/index.html
カリフォルニア工科大学の追悼記事
https://www.caltech.edu/about/news/caltech-remembers-eugene-parker-19272022
シカゴ大学の追悼記事
https://news.uchicago.edu/story/eugene-parker-legendary-figure-solar-science-and-namesake-parker-solar-probe-1927-2022

2022年10月22日更新

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    ユージン・パーカー(Eugene Parker)
    https://en.wikipedia.org/wiki/Eugene_Parker