アンテナ配置のこと。
収率を参照。
電離を参照。
束縛-自由遷移を参照。
電離温度を参照。
電離平衡を参照。
電離ポテンシャルを参照。
電磁流体中を伝搬するアルベーン波の一種。電磁流体波動は、イオンのジャイロ周波数 Ωcより低い周波数帯(ω<<Ωc)での波動であるが、背景磁場に平行方向に伝搬するアルベーン波では、左偏波のイオンサイクロトロン波と右偏波のホイッスラー波が縮退している。周波数が高くイオンのジャイロ周波数に対して無視できなくなり分散性が現れるあたりから、ホイッスラー波とイオンサイクロトロン波を区別して取り扱う。イオンサイクロトロン波は、イオン慣性長より短波長ではイオンのジャイロ周波数に漸近した波動となる。しかし通常の有限温度のプラズマ中ではサイクロトロン共鳴によりイオンのジャイロ周波数近くの波動は減衰する。ジャイロ運動も参照。
気相中のイオンと分子との反応。 イオンが分子に接近すると、イオンによる電場で分子が分極して双極子モーメントが誘起される。 この誘起双極子とイオンとの間に働く引力ポテンシャルは距離 r の-4乗(r -4)の依存性をもち、中性分子同士に働く引力ポテンシャル(おもに分散力、配向力、誘起力)の依存性 r の-6乗(r -6)よりも遠距離まで及ぶ。その結果、衝突断面積が大きくなり、反応速度が高くなる。しかも、イオン分子反応の速度定数は温度にほとんど依存しない。 この二つの点で、低温、低密度の極限状態にある分子雲中で、非常に効果的な反応であり、 分子雲における多種多様な分子生成に重要な役割を果たしている。星間化学、星間分子、光解離領域も参照。
キットピーク国立天文台を参照。
望遠鏡の赤道儀式架台形式の一種。極軸(赤経軸)が南北二か所のピアで支えられており、かつ望遠鏡筒が極軸と平行にオフセットして設置されているのが特徴。極軸周りの重量バランスをとるために、極軸と直交する赤緯軸上で、極軸に対して鏡筒と反対側につり合いの重り(カウンターウェイト)が置かれている。同じく鏡筒が極軸とずれたところに設置されている赤道儀にドイツ式架台があるが、こちらは極軸と赤緯軸の交点を一個のピアで支えているところがイギリス式架台と異なる。イギリス式架台は、望遠鏡下に広い空間が確保でき、南北の頑丈なピア構造のおかげで、望遠鏡に重い装置を装着することができるという利点を持つ。一方、望遠鏡筒が片持ちであることや、一般に傾いた長い極軸を持つ構造のため、機械的たわみが生じやすい。また、架台がかなり巨大なものとなる。赤緯の高い天域や低い天域を観測するときは、赤経によっては望遠鏡筒がピアと接触することがあるため、注意が必要である。架台(望遠鏡の)も参照。
複屈折を起こす材料の中を進む光のうち、光学軸に平行な偏光状態を持つ光。光学軸と傾いた方向に進むと、 光学軸の向きに進む時と異なる屈折率を持つ。ウォラストンプリズムも参照。
力学系の運動を記述する位置(または一般化された座標)と(それに共役な)運動量を座標とする空間。したがって3次元空間を運動するN個の粒子の場合、位相空間は6N次元となる。数学で使われる位相空間(topological space)と区別するために、相空間や状態空間と呼ばれることもある。
電波干渉計において、閉曲線を形作るような基線間で取得されたビジビリティを用い、それらの位相を合成して得られる量。たとえば、素子アンテナA, Bで構成される基線が測定するビジビリティ ${\it \Gamma}_{\mathrm{AB}}$ は、その基線に対し天体が作る真のビジビリティを $V_{\mathrm{AB}}$ として、${\it \Gamma}_{\mathrm{AB}} = g_{\mathrm{A}} g_{\mathrm{B}}^* V_{\mathrm{AB}}$ と表される。ただし、 $g_{\mathrm{A}}, ~g_{\mathrm{B}}$ はアンテナ A, B の受信系がもつ複素利得であり、 $^*$ は複素共役を表す。ここで、 ${\it \Gamma}_{\mathrm{AB}}$ の位相を $\phi_{\mathrm{AB}}$ とし、もう一台のアンテナCを含めて位相クロージャー $\phi_{\mathrm{AB}} + \phi_{\mathrm{BC}} + \phi_{\mathrm{CA}}$ をつくると、$g_{\mathrm{A}}, ~ g_{\mathrm{B}}, ~ g_{\mathrm{C}}$ に起因する位相の和はゼロとなり、天体信号に起因する情報のみが残るはずである。位相クロージャーがもつこの性質を利用して、装置利得に影響されない測定量として活用されたり、装置の動作検証に活用されたりすることがある。
ヘテロダイン受信機を用いた電波干渉計において、周波数変換に用いる局部発振器信号に位相変調を加えるとともに、より下流側の中間周波数信号部以降で変調と対になる位相復調を行う操作のこと。中間周波数部で起こる混信の除去を目的とした180°スイッチングと、2つの電波周波数成分が同一の中間周波数成分に重なって出てくる両側波帯で受信信号から一方だけを取り出すことを目的とした90°スイッチングとに大別される。必要に応じて両者を組み合わせて使うこともある。
波動の山谷の形が進む速度のことで、周波数を ${\omega}$、波数を ${k}$ とすると、 $v_{\rm ph}={\omega}/ {k}$ で定義される。一方群速度は、 $v_{\rm g}=\partial {\omega}/\partial {k}$ で定義され、波束の進む速度すなわち波のエネルギーを伝える速度となる。プラズマ中では、一様媒質でもローレンツ力が磁場に垂直方向に働くため、電磁流体波動の位相速度も群速度も角度依存性がある。たとえばアルベーン波の場合の位相速度は、背景磁場と波数 ${\boldsymbol k}$ の間の角度を $\theta$ とすると、$v_{\rm ph}=V_{\rm A} \cos(\theta) $ と表され、磁力線方向の位相速度が最大でアルベーン速度 $V_{\rm A} $となり、斜め伝播になると遅くなり垂直方向の位相速度はゼロになる。一方群速度は磁力線方向にのみアルベーン速度 $V_{\rm A}$ で伝わる。
放射非効率降着流を参照。
天球上で指定した線に沿ってスペクトルを並べ、一方の軸を線に沿った位置、他方の軸を波長ないし周波数とし、後者をドップラー効果による視線速度の違いとして表した2次元の強度分布図のこと。英語で位置はposition、速度はvelocityということから、p-v図と略称することも多い。可視光天文学ではロングスリット分光によって同等の画像が直接得られる。位置方向を銀経方向としたものを特に銀経-速度図、銀緯方向としたものを銀緯-速度図ということもある。特定の輝線や吸収線に着目すれば、位置-速度図を描くことで、指定した線に沿った速度変化を容易に読み取ることができる。たとえば、銀河の長軸に沿った方向の中性水素原子や一酸化炭素(CO)の位置-速度図を描くと、その銀河の中心から外縁部に向かって回転速度がどのように変化しているのかを容易に読み取ることができる。
宇宙線を参照。
距離指標を参照。
