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赤道儀

高

よみ方

せきどうぎ

英 語

equatorial mount

説 明

望遠鏡の架台の一種。赤道儀は、1軸を地球の自転軸に平行に設定する。この軸を極軸と呼ぶ。極軸に垂直なもう一方の軸を赤緯軸と呼ぶ。赤道儀では、天体の日周運動の速度(すなわち地球の自転速度に等しい逆向き速度)で極軸周りに鏡筒を東から西に回転させることで、日周運動する天体を追尾することができる。よって、極軸周りの定速回転機構があれば天体追尾が可能となる。また、赤道儀の主焦点カセグレン焦点では、天体追尾に伴って視野回転が生じない。このような利点を持つため、望遠鏡架台として広く採用されている。
赤道儀は、制御系が簡便になる反面、機械構造的には弱い。重力方向に対して傾斜した極軸を持ち、天体観測時には一般に赤緯軸も重力に対して傾く。これらの軸周りに十分な剛性を持たせるために、軸の支持構造は重く頑丈とする必要があり、望遠鏡が大型化すると現実的な構造物を建造することが難しくなってしまう。このため、近年では大型望遠鏡架台として赤道儀が用いられることはない。世界最大の赤道儀式光学望遠鏡は1948年に完成したパロマー天文台にある口径5 mのヘール望遠鏡である。世界最大の赤道儀式電波望遠鏡はNRAOの43m電波望遠鏡。経緯台も参照。

2019年09月12日更新

関連画像

*さまざまな架台形式
前原英夫「星座と望遠鏡」(丸善)の図に、岡村他編「天文学辞典」(日本評論社)の図を加えて作成。
フォーク式赤道儀の例(国立天文台岡山天体物理観測所91 cm望遠鏡)。極軸上に設置された馬蹄形の二股(フォーク)構造の先に赤緯軸が渡されており、赤緯軸で望遠鏡筒が支えられている。