バリオン音響振動
よみ方
ばりおんおんきょうしんどう
英 語
baryon acoustic oscillation
説 明
宇宙初期には、バリオンと光子がトムソン散乱により強く結合して一体となり、一つの流体として振る舞う。このバリオン光子流体は圧力を持つため、空間的なゆらぎがあると、それは音波振動となって空間中を伝播する。これをバリオン音響振動という。この振動は宇宙の晴れ上がりまで続き、光子の脱結合に伴って振動は止まる。このときの振動位相は、その後のバリオンと光子のゆらぎに刻み込まれたまま固定される。この振動位相はゆらぎの波長スケールごとに異なるため、宇宙マイクロ波背景放射の温度ゆらぎと宇宙の大規模構造に、観測可能な量となって現れる。このバリオン音響振動の痕跡は実際に観測されている。
2018年04月29日更新
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