天文学辞典 | 天文、宇宙、天体に関する用語を3000語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。

小

よみ方

ほし

英 語

star

説 明

日本語の「星」という語は一般社会でも天文学でも、使う人の立場や使われる文脈によって意味が異なるため、その使用や解釈には注意が必要である。特に、一般社会と天文学では異なる意味で使われることが多い。天文学では宇宙に存在する物体の総称が天体であり星は天体の一部である。
一般社会では、晴れた夜空に点のように光って見える天体(恒星惑星)を星と呼ぶが、流れ星(流星)とほうき星(彗星)も含めて星ということもある。また、極めて広い意味で用いる場合には、「星の数ほど」などの表現に見られるように、象徴的にすべての天体を指す場合もある。文脈によって指すものが異なるので注意が必要である。
天文学において「星」と言えば一般に恒星を指し、惑星や流星や彗星を星と呼ぶことはない。恒星は「天体内部の核融合によりエネルギーを作りだし、自ら輝いている天体」である。この定義からすれば、星の進化の最初期段階にある原始星前主系列星、及び最後期段階にある白色矮星及び中性子星は恒星ではないが、これらも「星の進化」という流れの中で星と呼ばれることが多い(恒星の進化を参照)。
恒星にはさまざまな種類のものがあるので、天文学では恒星という総称ではなく、主系列星赤色巨星水平分枝星などHR図上の位置、O型星、G型星、M型星などスペクトル型、あるいは変光星フレア星など星の性質を用いるなどして細分し、それぞれの名称を定義して研究対象を示すことが多い。ただし、「星までの距離」や「星の固有運動」などのように、特に細分を必要としない時には総称である星を用いることがある。また、恒星とその集団である銀河を対比して、「星は銀河の中にある」という場合などでは、恒星の定義や細分を考えずに、概念的に星間物質以外の銀河の構成天体すべてを星と表現する。メーザー天体などの点状電波源を含む場合もある。
このように、天文学においても「星(恒星)」という語は、文脈によって指す対象が異なることがあるので注意が必要である。

2019年02月21日更新

関連画像