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地球

小

よみ方

ちきゅう

英 語

Earth

説 明

太陽系の惑星のなかでは唯一、液体の水が表面で安定に存在できる、ハビタブルゾーン(生存可能圏)にある天体である。太陽系第3惑星である地球は今のところ生命活動が確認されている唯一の天体である。質量5.97\times 10^{24}\,{\rm kg}、赤道半径6378 km、密度は5520\,{\rm kg\,m}^{-3}で、中心に質量の3分の1を占める金属質の中心核、周囲に岩石質のマントル、および地殻がある。中心核の主成分は鉄とニッケルで、軽元素として硫黄、酸素、水素が融け込んでいる可能性がある。核の外側は流体で、そこでの対流運動からダイナモ作用により、磁場が維持されている。マントルの主成分はカンラン岩で、地殻は玄武岩と花崗岩から構成される。
地球は窒素、酸素を主成分とする大気で覆われており、液体である水が地表に存在する。地表全体での平均水深は2440 mである。南極とグリーンランドには極冠と考えることのできる厚い氷床が存在する。地球の歴史の中では、海洋全体が凍結する状況(スノーボールアース)に何度も陥った。氷の面積が広がると太陽光の反射率が高くなり、寒冷化がさらに加速される。過去の地球では、現在は地殻に炭酸塩として取り込まれている二酸化炭素が大気に大量に存在して、その温室効果が温暖環境を維持していたと考えられる。スノーボールアースの後も地球内部から火山活動で脱ガスした二酸化炭素が大気中に蓄積して温室効果で表面温度を上昇させることで、凍り付いた環境から回復した。
地球内部のダイナミクスを特徴づけるのがプレートテクトニクスである。中央海嶺で形成された海洋プレートが海溝で沈みこみ、表面更新が速く、熱輸送効率が良い。地球の火山は、中央海嶺と沈み込み帯に集中している。そのほかに、マントル深部に根をもつプリュームによる、ハワイ火山のようなホットスポットが存在する。
日本の気象衛星「ひまわり8号」が撮影した地球の全面画像を2015年12月21日から2016年12月21日までの1年分をつないで早送りで見せる動画が製作されている。『A Year Along the Geostationary Orbit(静止軌道から見た1年)』と名付けられた約15分のこの動画では、雲と台風の動きや白夜の起きている様子などがよく分かる。2016年3月9日の皆既日食(タイムコード4:48)も記録されている。地球全面画像だけでなく、オーストラリアと日本付近を中心にズームインした詳細な動画も見られる。
アヌシー国際アニメーション映画祭2019のVimeo Staff Pick Awardを受賞したドイツのFelix Dierich氏による芸術作品であるが、宇宙から見た地球の1年がよく分かる科学映像としても高い価値がある。
『A Year Along the Geostationary Orbit』 https://vimeo.com/342333493

アポロ17号から撮影した地球(NASA)

2019年08月07日更新

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