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可視度

 

よみ方

かしど

英 語

visibility

説 明

1. 開口合成型の電波干渉計で得られる最も基本的な測定量。ビジビリティという英語名も広く用いられている。具体的には、基線を構成するそれぞれの素子アンテナが測定する電場信号間の相互相関関数である。得られた可視度は、天球面における輝度分布の空間周波数成分であり、その空間周波数は基線ベクトルと対応している。多くの基線で多数の可視度を取得し、それをフーリエ変換して天体画像を得るのが、開口合成望遠鏡の基本的な働きである。

2. 干渉縞のコントラストを示す指標。干渉縞の山 $I_{\rm max} $ と谷 $I_{\rm min}$ の強度の差を強度の和で割った量

$$ V=\frac{I_{\rm max}-I_{\rm min}}{I_{\rm max}+I_{\rm min}} $$

で定義される。$I_{\rm min}=0$ のとき、可視度 $V=1$ となる(図参照)。

2023年04月18日更新

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    * 第2項の可視度。干渉縞の振幅を平均強度で規格化した割合を可視度Vという。
    西川 淳「回折限界・干渉」、シリーズ現代の天文学第15巻、家・岩室・舞原・水本・吉田編『宇宙の観測I』第2版 3.4節 図3.10(日本評論社)