メーザー天体
よみ方
めーざーてんたい
英 語
maser sources
説 明
宇宙空間でメーザーで光って見える天体のこと。主として、
1. 大質量星形成領域である電離水素領域(HII領域)に付随した分子雲
2. 晩期型星(赤色巨星や赤色超巨星)周囲の分子ガス
3. 活動銀河核の一部
である。
OH、H2O、SiO、CH3OHなどの分子が強いメーザーを放射するが、他の分子でも弱いメーザーを放射するものがある。メーザーが起きるためには、反転分布となる必要があるが、そのエネルギーの供給源としては赤外線放射や水素分子による衝突が考えられる。ただし、後者の場合は 107-1010 cm-3 の高密度ガスが必要である。非熱的放射であるメーザーは放射している物体の温度に比べて輝度温度が極めて高く、107 Kに及ぶものもある。逆に、これを利用して、超長基線電波干渉計(VLBI)による観測対象となる。
2023年05月06日更新
この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。
受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。