インフレーション理論
よみ方
いんふれーしょんりろん
英 語
inflationary cosmology
説 明
宇宙初期に加速的な膨張期(この膨張をインフレーション膨張という)を考えることによって、古典ビッグバン宇宙モデルの問題点である、地平線問題、平坦性問題、モノポール(磁気単極子)問題などを解決すると同時に、密度ゆらぎの起源も与える理論。1980年代初頭に、米国のグース(A.H. Guth)、日本の佐藤勝彦、ロシアのスタロビンスキー(A. Starobinsky)らによって提唱された。インフレーション理論の基本的な予言はさまざまな観測事実によく一致している。それらは、宇宙の大域的一様・等方性、空間曲率が実質的にゼロであること、密度ゆらぎのスペクトルがほぼスケール不変であること、そしてその統計がガウス分布(正規分布)従うことである。
インフレーション膨張期には物質密度揺らぎとともに時空の揺らぎである重力波も生成される。重力波は宇宙マイクロ波背景放射に偏光成分をもたらすため、観測的な検証として宇宙マイクロ波背景放射の偏光観測が計画されている。
2019年11月07日更新
この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。
受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。