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フィラメント状構造

高

よみ方

ふぃらめんとじょうこうぞう

英 語

filamentary structure

説 明

複数の銀河団の間を結ぶ細長い帯状領域に分布する銀河分布のパターン。単にフィラメントとも言う。標準宇宙論モデルによる暗黒物質分布の大規模数値シミュレーションでは、銀河分布の2次元的壁(ウォール)構造に対し、フィラメント構造は二つの壁構造が交わる1次元的分布構造となって生じる様子がうかがわれる。個々の銀河の形状軸の分布とフィラメント構造とが関係しているという近年の研究もある。観測的にはハワイ大学のタリー(R.B.Tully)などが近傍宇宙での超銀河団の連鎖によるフィラメント構造をいくつか同定している。宇宙の大規模構造を参照。

2024年01月04日更新

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    複数の銀河団を結ぶフィラメント状構造を明らかにして宇宙大規模構造の存在をはじめて示唆した図。かみのけ座銀河団とA1367銀河団を含む領域にある15等級より明るい銀河ほぼすべて238個の赤方偏移から奥行き方向の距離を求め空間分布として示した図。銀河系は三角形の頂点にある。右図の線で示されているように、二つの銀河団を結ぶ架け橋のようなフィラメント状構造や、銀河のほとんどない領域があることがわかった。
    原図は Gregory & Thompson 1978, ApJ, 222, 784
    *「宇宙の泡構造」という語の根拠とされた大規模構造の図。フィラメント状構造がよく見える。上段は赤経8時から17時(角度にして120度)、赤緯+8.5度から+50.5度の領域にある15.5等級より明るい銀河の天球上の分布。中段は上段にスライス1とスライス2で示す細い帯状の領域にある銀河の赤方偏移から得られた後退速度を奥行きに取った銀河の空間分布図。扇型をしているのでウェッジダイアグラムという。銀河系は扇の要の位置にある。下段は中段の二つの扇を重ねた図。二つのスライスの空間分布がよく似ているので、宇宙大規模構造は糸のような一次元の構造ではなく、膜の表面のような二次元の構造であることがわかった。
    (Geller et al. 1987, IAU Symp., 124, 301 にある図から構成)