中心分子雲帯
よみ方
ちゅうしんぶんしうんたい
英 語
central molecular zone(CMZ)
説 明
天の川銀河の中心付近にある分子ガス雲の複合体。英語の頭文字からCMZ(しーえむぜっと)と呼ぶことも多い。銀河面に沿って、中心から半径200~300パーセク(200~300 pc=1000光年)程度の範囲に数十pcの厚さで円盤状に広がっており、ガスの総質量は1×108 $M_{\odot}$。回転運動から得られる観測領域内の力学質量は 2×109$M_{\odot}$ なので、領域内では星に対するガスの質量は5%程度である。円盤状とはいっても対称性は悪く、銀河中心より銀経で東側に分布が偏っている。銀経で東側が手前にある棒状の構造をしているとの研究結果もある。この領域にある分子雲は円盤部にある分子雲に比べて、密度で1桁程度、温度で数倍から1桁程度は高い。速度分散も数倍は大きく、外圧も考えないとビリアル平衡にはない。高温ガスや磁場が外圧として働いていると推定されている。
2023年05月10日更新
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