ボンディ
よみ方
ぼんでぃ
英 語
Bondi, Hermann
説 明
ボンディ(Hermann Bondi;1919-2005)はオーストリア出身のイギリスの理論天文学者。定常宇宙論を提唱し、ビッグバン宇宙論に対抗した。オーストリア、ウィーンに生まれ、エディントンの勧めによりイギリスに渡り、1937年ケンブリッジ大学に入学。第2次世界大戦中は、敵性国人として一時拘束されるが、そこでトーマス・ゴールド(T. Gold)と知り合った。1941年にケンブリッジ大学に戻り、1942年にホイル(F. Hoyle)が所属するイギリス海軍のレーダーの研究にゴールドと共に参加した。この3人で1948年に定常宇宙論を提唱した。1951年、コーネル大学の客員教授を経て、1953年にハーバード大学へ行き、その後、ロンドンのキングズ・カレッジの応用数学教授となった。1960年代から行政的な仕事に携わり、国防省の主任科学顧問、エネルギー省の主任科学者を歴任、テムズ川ダム計画の顧問でもあった。
太陽電波と宇宙線の理論では、太陽磁力線が延びている模型を提唱した。一般相対論からダストでできた(圧力なし)宇宙モデルを研究、重力波の性質を最初に正しく理解した一人でもあった。物質降着理論では、地球の氷河期は太陽系への星雲物質の落下によるとする発想から始まり、ボンディ半径の概念を定め、それはブラックホールなどへの降着理論に発展した。2001年には王立天文学会ゴールドメダルを受賞している。
2024年11月28日更新
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