降着円盤
よみ方
こうちゃくえんばん
英 語
accretion disk
説 明
恒星やブラックホールなどの天体に周囲からガスが落ち込む場合、角運動量をもっているガスは主星にはまっすぐに落ちず、主星の周りにリングを形成し、 それが広がって円盤になる。これを降着円盤という。 質量M の点源の周りを円運動する粒子の回転速度$v$K、 角速度ΩK、 角運動量lKは、遠心力と重力とのつり合いの式より、
$$v_{\rm K} = \sqrt{\frac{GM}{r}}, \,\,\,\,\Omega_{\rm K} = \sqrt{\frac{GM}{r^3}}, \,\,\,\,\\\ell_{\rm K} \equiv r v_{\rm K}= \sqrt{GMr} $$
と書ける。
この回転をケプラー回転という。ここで r は中心までの距離、Gは万有引力定数である。速度、角速度とも、中心に近づくほど大きく、角運動量は逆に外側ほど大きい。内側ほど速く回っている回転円盤において粘性が働くと、内側のリングが外側のリングに対し回転方向にトルクを及ぼす。これで角運動量は内から外へと輸送される。角運動量を失ったガスは遠心力が減少するため、内側へと降着する。粘性はまた(回転運動の)運動エネルギーを熱エネルギーに転化させて円盤ガスを加熱する。こうして熱せられたガスが電磁波を出す。標準(降着)円盤モデルも参照。
2023年05月13日更新
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