ティスランの判定式
よみ方
てぃすらんのはんていしき
英 語
Tisserand's criterion
説 明
制限三体問題において、二体問題となる2天体が円運動をしている場合には質量の無視できる3体目の天体の運動においてヤコビ積分と呼ばれる量が保存される。ティスランの判定式はこのヤコビ積分を簡略化してその保存則を近似的に表したもので、
$$\frac{a^{\prime}}{2a}+\left(\sqrt{\frac{a}{a^{\prime}}(1-e^2)}\right){\rm cos}\,I = 定数$$
で表される。ここで、$a’$ は2天体の運動の軌道長半径、$a, e, I$ は3体目の天体の軌道要素である。
たとえば、太陽–木星–彗星という系で、彗星が木星に近接遭遇して軌道が大きく変わったとしても、ティスランの判定式の値はほぼ同じ値をとる。このため、異なる時期に観測された彗星が同一のものであるかを判定するのによく使われている。
2023年05月10日更新
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