天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

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2018年02月20日 理論

N体問題

重力で相互作用する多数の粒子からなる系を重力多体系と呼ぶ。重力多体系の運動を考える問題がN体問題である。多体問題ともいう。天文学では惑星リング、惑星系、星団、銀河、銀河団などが重力多体系と近似でき、その進化がN体問題とし […]

2018年02月20日 理論

SPH法

流体を粒子で表現するグリッドレス法の一つである。圧力項を大きさをもった粒子間の力として表現し、粒子は局所的な速度に従って運動するラグランジュ的計算法であり、密度のコントラストが大きい圧縮性流体の扱いに優れている。単純な取 […]

2018年02月20日 理論

s過程

遅い(slow)中性子捕獲とそれに続くベータ崩壊によって鉄族より重い元素をつくる過程。sプロセスと呼ばれることも多い。核図表で安定線上の原子核が形成される。中性子捕獲が速い(rapid)r過程とは核図表の上で異なった経路 […]

2018年02月20日 装置・施設・データベース

XMM-ニュートン衛星

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)が1999年12月に打ち上げたX線天文衛星で、ニュートン(I. Newton)の名を冠している。軌道傾斜角40度、遠地点高度99,000-114,000 km、近地点高度6,000-22,00 […]

2018年02月20日 星間物質と星形成

X線解離領域

X線によって分子雲が解離された領域。 電離光子がガスを電離して形成される領域が電離領域であるが、天体から放射される電離光子が周囲のガスを電離すると、天体の周りに電離領域が形成される。水素を電離する13.6eVのエネルギー […]

2018年02月20日 観測技術

エアマス

天頂方向を1とした大気の厚さ。空気量あるいは空気関数ともいう。天頂からの角度(天頂角、天頂距離ともいう)を z として、大気が平行平面板状とみなせる z<60°の範囲ではエアマス F(z) は sec z(sec は c […]

2018年02月20日 人名

エアリー

エアリー(Sir George Biddell Airy;1801–1892)は、イギリスの数学者、天文学者。ノーサンバーランド州アニックで生まれ、1819年にケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジに入学、1824年にフ […]

2018年02月20日 観測技術

エアリーパターン

円形開口による点像分布関数をエアリーパターンと呼び、その強度分布は、開口直径 $D$、波長 $\lambda$、角度 $\theta$ で定義される 変数 $x=\pi D\theta/\lambda$ に対して、第一種 […]

2018年02月20日 理論

永年共鳴

公転周期より長い時間スケールで軌道の変化を引き起こす原因となる共鳴関係。一つの惑星が太陽の重力だけを受けて太陽の周りを公転している場合にはその楕円軌道は変化しないが、別の惑星も公転していると相互重力により軌道が変化する。 […]

2018年02月20日 理論

永年項

摂動関数を展開したときに、永年摂動に寄与する項のこと。たとえば、低軌道を周回する人工衛星は大気の抵抗を受けて徐々に高度を下げていくが、この大気抵抗を与える摂動は永年項の成分を持つ。永年共鳴も参照。

2018年02月20日 理論

永年摂動

摂動、永年共鳴を参照。

2018年02月20日 装置・施設・データベース

エイベルカタログ

1958年にエイベル(G.O. Abell)が発表した銀河団のカタログ。パロマー天文台のシュミット望遠鏡で撮られた 879 枚の写真乾板を眼視検査して見つかった2712 個の銀河団が掲載されている。このカタログは、196 […]

2018年02月20日 理論

ADAF

移流優勢流を参照。

2018年02月20日 理論

AMR法

適合格子細分化法を参照。

2018年02月20日 銀河・銀河団

HⅠ欠乏銀河

中性水素(HI)原子ガスが欠乏した渦巻銀河のこと。銀河団の中心に近い渦巻銀河ぼどHIガスが欠乏していることが確認されている。銀河団に渦巻銀河が落下してきた場合、銀河団ガスからの動圧によって銀河ガスのはぎ取りがおこるため、 […]

2018年02月20日 装置・施設・データベース

H-IIAロケット

現在の日本の人工衛星の打ち上げに用いられる主力大型ロケットで、日本初の純国産H-IIロケットの改良型。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した。1段目と2段目ともに液体燃料ロケットエンジン(LE-7A、 LE-5B)を […]

2018年02月20日 観測技術

HDS

すばる望遠鏡に搭載された、エシェル分光器のこと。High Dispersion Spectrographの頭文字をとって命名された。製作メーカーはニコン。装置全体の大きさは6 m x 6 m x 3 m、重量は約6 tで […]

2018年02月20日 装置・施設・データベース

HD星表

ヘンリードレーパー星表を参照。

2018年02月20日 観測技術

HPBW

ビーム半値幅を参照。

2018年02月20日 観測天文学

HR図

恒星のスペクトル型と光度(絶対等級)の分布図。縦軸を絶対等級(上が明るい)、横軸をスペクトル型(右が低温)にとる。この図を考案したヘルツシュプルング(E.Hertzsprung)とラッセル(H. N. Russell)の […]


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関連画像

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* 図1 ラッセルにより出版された最初のHR図。1913年春の時点で年周視差から距離が求められていた約300の星が対象である。黒丸は2-3個の測定の平均、白丸は1測定のみ。小さい点は誤差大(>±1 mag)。上の6個の大きな白丸は固有運動の小さい120個の星から求めた平均値。二本の線のあいだ(主系列)に多くの星がある。
(Russell, H. N. 1914, 'Relations Between the Spectra and other Characteristics of the Stars. II. Brightness and Spectral Class', Nature, 93, 252 の原図より制作)
太陽近傍の23.000星(「ヒッパルコスカタログ」からの22,000星と「グリーゼカタログ」からの1000星)のHR図。太陽は、縦軸で光度=1(絶対等級+4.8)、横軸でB-V=0.66(温度5780 K, スペクトル型G2V)の位置にある。
https://en.wikipedia.org/wiki/Hertzsprung%E2%80%93Russell_diagram より
以下の原図を改変した。
https://en.wikipedia.org/wiki/Hertzsprung%E2%80%93Russell_diagram#/media/File:HRDiagram.png (Richard Powell - The Hertzsprung Russell Diagram)
この原図のラベルを日本語とし、「Ⅶ 準矮星」は原図になかったが書き加えた(岡村定矩)。
*図2 HR図上の光度階級。大脇他「天文資料集」(東京大学出版会)の原図より制作
球状星団の色-等級図、実線は等時線(等時曲線)。
理科年表オフィシャルサイト徹底解説(丸善、国立天文台)
https://www.rikanenpyo.jp/kaisetsu/tenmon/tenmon_025.html
(Salaris, M. et al. 1997,The Astrophysical Journal, 479, 665にある図をもとに作成)
*太陽から200 パーセク以内にある約「18000個の恒星のHR図。○印の大きさでその位置にある星の個数が表されている。
安藤裕康「星の明るさと色」、シリーズ現代の天文学 第7巻、野本・定金・佐藤編『恒星』 1.1節 図1.7(日本評論社)