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速度勾配層

 

よみ方

そくどこうばいそう

英 語

tachocline

説 明

太陽対流層の底(深さ約20万km)付近にあって、自転角速度の動径方向の変化が大きな層。日震学による内部構造探査で見つかった。太陽対流層全体としては、動径方向の自転角速度の変化は考えられていたよりも小さい傾向にあり、速度差によって磁力線を引き延ばすダイナモ作用が起こりにくい。その代わりに薄い層である速度勾配層がダイナモ作用の現場であると考えられるようになった。また、太陽内部から浮上してきて黒点などを作る磁束管が蓄えられている場所の候補でもある。速度勾配層の存在はまた、大きな速度差のために混合過程を引き起こしているのではないかとも考えられている。

2018年03月06日更新

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