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ステラーコロナグラフ

 

よみ方

すてらーころなぐらふ

英 語

stellar coronagraph

説 明

明るい恒星のごく近傍にある伴星や惑星など暗い天体を観測するために用いられる装置。太陽系外惑星直接撮像法による検出で広く用いられる。もともと、太陽の明るく光る部分の外側にある、コロナと呼ばれる薄い大気の観測のために開発されたのがコロナグラフであり、同様の手法を恒星の近傍の伴星、惑星など暗い天体の観測に用いたもの。像面に遮光マスク、瞳面にリオストップと呼ばれる回折光用マスクを設けることによって明るい恒星光を遮断し、星像のハローを低減する。これは古典的リオコロナグラフと呼ばれているが、最近では数多くの新しいコロナグラフの手法が提案されている。CIAOHiCIAOSCExAOSEEDSも参照。

2022年09月17日更新

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    *ステラーコロナグラフの光学系と対応する像の変化。
    田村元秀「系外惑星の直接観測とその展望」、シリーズ現代の天文学 第9巻、渡部・井田・佐々木編『太陽系と惑星』 7.3節 図7.8(日本評論社)
    (原図はMurakawa et al. 2004, PASJ, 56, 509)

    太陽型恒星 GJ 504 のまわりの低質量惑星 GJ 504 b の赤外線カラー合成画像。右上の小さな点が太陽系外惑星 GJ 504 b
    http://exoplanet.mtk.nao.ac.jp/gallery/198