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シルク減衰

 

よみ方

しるくげんすい

英 語

Silk damping

説 明

拡散減衰ともいう。宇宙初期において、バリオンと光子の相互作用によって生じるゆらぎの減衰機構。密度が高い初期の宇宙では、バリオンと光子が強く結合して一体となって振る舞っているが、徐々に密度が低下して温度が下がると、原子が中性化して再結合期を迎え、光子がバリオン成分から脱結合する。このとき、光子の平均自由行程(光子が直進できる平均的な距離)は徐々に伸びて、最終的に十分大きくなるという過程を経る。このとき光子はランダムウォーク的に進行方向を変化させ、その拡散スケール内にもともと存在したゆらぎを消し去ってしまう。これをゆらぎのシルク減衰という。これは光子の脱結合が一瞬の出来事でないために生じる効果である。シルク減衰はバリオン成分や光子にのみ働き、ダークマターのゆらぎには直接作用しない。このため、ダークマターが支配的な現実の宇宙では、全密度ゆらぎそのものに対するシルク減衰の効果はあまり大きくはない。一方、宇宙マイクロ波背景放射温度ゆらぎに対しては、小角度スケールにおいて顕著なゆらぎの抑制メカニズムである。名前はこの効果を研究したイギリス生まれの天体物理学者シルク(J. Silk)にちなんでいる。

2018年03月09日更新

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