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暴走的成長(微惑星の)

 

よみ方

ぼうそうてきせいちょうびわくせいの

英 語

runaway growth

説 明

微惑星が衝突合体を繰り返して惑星が形成される惑星集積過程の初期の段階において、周りの微惑星より質量が大きくなったものがさらに周囲の微惑星より速く成長し、他から抜きんでて大きくなる現象のことを暴走的成長(または暴走成長)と呼び、他から抜きんでて大きくなったもののことを原始惑星と呼ぶ。それに対して、どの微惑星も同じような質量増加率で大きくなる場合を、秩序的成長と呼ぶ。実際の惑星成長がどちらの様式で進むかは、微惑星の軌道を乱す要因が何であるかによる。惑星集積の初期段階では、微惑星の軌道を乱すのは、微惑星同士の重力散乱である。この場合、大きな微惑星ほど重力により多くの微惑星を集められるという効果が強く働き、暴走成長が起きる。原始惑星の成長が進んで原始惑星による重力散乱が効くようになると原始惑星が重力によって周りの微惑星を引き寄せる効果が効きにくくなり、寡占的成長(複数の原始惑星が、同じような質量増加率で大きくなる)という別の成長様式に移行する。

2018年10月06日更新

関連画像

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渡邊誠一郎「太陽系形成論の概観」、シリーズ現代の天文学第9巻、渡部・井田・佐々木編『太陽系と惑星』 6.1節 図6.1 (日本評論社)